【超絶ブラック】広告制作会社の過酷な労働実態と仕事内容

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広告制作会社とは、広告業界において広告代理店とデザイン会社の間に位置する制作会社です。

僕は電通とかの広告代理店の労働実態を叩く前に、制作会社の労働実態の方もなんとかしたほうがいいと思っているので本日はそのことを書きます。

僕は1社目はメーカーの販促部にいたので広告制作会社の人や広告代理店の人、デザイナーさんやらとやり取りする機会があったのでよくわかるのですが、広告制作会社の労働環境って超悲惨です。っていうかそもそも広告制作、デザイン業界の縦社会の構図が不合理極まりないです。

ってことで、本日は広告制作、デザイン業界の丸投げ構造、制作会社の労働環境についてお伝えしたいと思います。

 

広告制作、デザイン業界の縦社会の構図

まずはじめに、前提知識として広告制作、デザイン業界の下請け孫請けの縦社会の構造についてお話ししたいと思います。

広告制作、デザイン業界の構図は、ざっくり言うとこんな感じになっております。(非常にざっくりです)

まず、発注元にメーカーや銀行、不動産会社などの事業会社があります。その事業会社の広報部(販促、マーケティング)が広告代理店に広告を発注します。

広告代理店の営業マンはそれを受け、総合制作会社に広告を発注します。

広告代理店から依頼を受けた総合制作会社はさらにその広告をデザイン会社に投げます。

 

以上がざっくりした広告制作、デザイン業界の構図になるのですが、これを見ると実際に手を動かして広告を制作し、1番安く買い叩かれるのは小さなデザイン会社ということになります。この下請け孫請けの関係性があるので、デザイン会社は実際に手を動かして仕事をしているのに薄給で労働時間が最も長くなります。

 

ちなみに、総合制作会社にもランクがあって、制作子会社、制作親会社みたいな感じで上下関係がたくさんあり、その間にもマージンが大量に発生しています。もちろんデザイン会社の中にも親会社子会社みたいな関係は存在しています。したがって、業界の構図で下の方に位置する制作子会社やデザイン会社は一番手を動かして仕事をしているのに最も安く買い叩かれてしまうという状況が発生してしまうのです。

 

なぜこのように下の階層に位置する小さな広告制作会社やデザイン会社が買い叩かれ、彼らの給料が安くなってしまうのか?それは発注元から下に仕事がどんどん降りてくる過程で、多額のマージンが発生するからです。

以下、広告制作、デザイン業界の縦社会で発生する多額のマージンについて説明したいと思います。

 

広告制作、デザイン業界の丸投げ構造によって生み出される多額のマージン

例えば発注元がメーカーで、メーカーが広告代理店に広告を発注したとしましょう。

すると伝言ゲームのように発注が降りていき、最初に見積もりを提出するのはデザイン会社になります。

さて、発注を受けた広告に対しデザイン会社が100万円で総合制作会社に見積もりを出したとします。するとデザイン会社から提出された見積もりを見た総合制作会社はもちろん広告代理店に提出する見積もりにマージンを乗っけます。そのマージンが10%だとするならば、総合制作会社が広告代理店に提出する見積もりは110万円になります。

総合制作会社から提出された見積もりを見て、広告代理店はさらにそこにマージンを乗っけます。そのマージンが15%だとするならば、126.5万円の見積もりをメーカーに提出することになります。

すなわち、この例で言うならば間に26.5万円のマージンが発生していることになります!

それはつまり、メーカーは26.5万円分、同じデザインに対して余分なお金を払っていることになります。

逆にデザイン会社から見れば、126.5万円分の仕事を100万円で買い叩かれているということにもなります。

間にマージンが多額に発生する広告業界の縦社会構造は、無駄な時間コストと労働コストを生み出します。

 

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縦社会の丸投げ構造がもたらす労働コストと時間コスト

以上のようにメーカーから広告代理店、制作会社、デザイン会社と仕事が降りてくる構造は、いわゆる伝言ゲームみたいなもんです。その中で制作会社やデザイン会社も味を出そうとするので、メーカーに原稿をあげるときはメーカーの意向とは違う広告原稿が上がってきたりするのです。

そうなるとメーカーから修正依頼が届きます。するとまた伝言ゲームで下の階層に修正を伝えなければらないので、さらに時間的コストと労働的コストが発生します。

そしてまた案を上にあげて、修正のため案を下に下げて…の繰り返し。この繰り返しで多大なるコミュニケーションコスト、時間的コストが発生するのです。

 

これがメーカーから直でデザイン会社に発注できれば、コストは削減されます。この縦社会の構図から生まれる不利益は半端なく、非常に無駄が多いです。

しかも下の階層に位置する会社ほどマージンを抜かれる分買い叩かれ、制作会社やデザイン会社は無駄な伝言ゲームによる長時間労働が発生することになるのです。

まさに社会における損失!無駄な労働が生み出されているのです!

ということで、この辺で無駄な労働に嫌気がさして制作会社を辞めた僕の友人の社員の声を聞いてみましょう。

 

広告制作会社を1年で辞めた社員のお話

彼は某広告制作会社のセールスプロモーション部で1年ほど働いておりました。すなわち販促のお仕事ですね。

しかし、実際は広告代理店から広告制作の依頼を受けて、それをデザイナーさんに伝えるという営業的な役回りが多かったようです。

まさに広告代理店とデザイン会社の狭間に立つ制作会社ならではの仕事ですね。では、彼から実際に聞いた下請け制作会社の実態を見ることにしましょう。

 

下請け制作会社の実態

えげつない納期

例えば銀行の広告作成の依頼を受けて、その原稿を作る仕事をしたことがあるのですが、

「明日までに案持ってきて!」

と広告代理店の営業マンから夕方に言われたりします。僕らはほぼ断れないし、金額も法外に安い値段でやらなければならないことが多いです。

50万円でやってもいいくらいのものを、10万円くらいでやったりもします。断ってもいいのですが、そうなると今後のお仕事がもらえるかもわかりませんし、その他のプロダクションと差別化できないので、ウチならこの値段でもできますよ!ということで仕事を安請け合いしています。基本的に上から来たものを断ることなんてできないのです。

このぐらいは明日までに出来て普通でしょ?みたいな空気感があるので断れず、夜の4時くらいまで不眠不休で仕事をすることになるのです。

 

制作会社に値段を決める権利はない

受ける仕事は広告代理店の営業マンが言う値段で決まっており、制作会社側に値段を決める権利はありませんでした。

それは全て、発注元のメーカーやら銀行やらの財布のヒモが硬いことに起因しています。広告代理店の営業マンもよせばいいのにその安い値段で「これでやります!!」と言うのでそのツケが制作会社に回ってくるわけです。

どのくらいひどいかというと、これは私の上司の言葉なのですが、

「5000円でハワイ旅行に行きたい!」

と言われたら、「それは無理ですw」って言いますよね。でも、それと同じようなことがまかり通るのが制作会社なのです。

下請法などがありますが、書類上は守っていても実態はあってないようなものです。

業界が下請法を守らないのが常識になっているので。誰も文句を言わないのです。

 

過酷な長時間労働

うちの会社はかろうじて残業代は出ておりましたが、残業代が出ない会社も多いです。

特に広告会社には、「この仕事、好きでやりたくてやってんでしょ?」的な風潮が強いので、「安月給でえぐいけどやりたくてやってるんだから我慢してね」という感じで仕事が回ってきます。

忙しくいのが好きで好きでしょうがない人は、めちゃくちゃキラキラしてました。しかし、私はそうではなかったので働くのが辛かったです。

休日も土日に出て仕事することが多かったのでほとんど休むことができず、不眠不休で働いておりました。

 

一ついいことと言えば、飲み会は少なかったです。ていうか、会社では上下関係にはあまり厳しくありませんでした。無意味な飲み会などはほとんどないです。っていうか、他の会社の人が飲み会している間に仕事をしているのでそんな概念がないということなのですが….

 

結婚できない人が多い

結婚できない人が非常に多いです。

「仕事して気づいたらこの年齢になってましたw」

という感じで、30代後半の人が多かった印象でした。

世の中こんなに結婚しない人が多いんだなあ、と感じた業界でした。

 

修正に修正を迫られるWeb担当

Web担当は上からひたすら修正に修正が来るので、会社に住んでいるんじゃないかというレベルでずっと仕事しています。

自分で全て制作しているわけでもないので、外注先にも連絡しなければならずそこでタイムラグも発生して負担は大きそうでした。

私は広告代理店に原稿を提出する立場だったのでWeb担当によく電話して原稿が出来上がっているか聞いていたのですが、毎度死にそうな声で対応していたのをよく覚えています….

 

貰える企画料は基本的に0円

コンペで企画を提出する場合は却下されても企画料が払われるのが普通なのですが、そもそも企画料を払わない会社がめちゃめちゃ多いです。

ですので、企画が却下されればその仕事の利益は何もなし。

一銭のお金にもならない仕事をするなんてことがかなり多いです。

ですので、発注を依頼するデザイナーさんにも非常に申し訳なくなります。どの会社も企画料を払ってくれればいいんですがね….

 

まとめ

以上、広告業界の構造と広告制作会社の過酷な労働環境について見てきましたが、日本社会の丸投げ構造はどうにかしたほうがいいと思うんです。

建築業界でも自殺者がよく出てニュースになっていますよね?

あれも発注元の大手建築会社は楽をして、実際に手を動かす下請け会社の人たちが薄給、長時間労働を強いられているのです。

広告制作、デザイン業界に限らず、日本の縦社会の構造がなくならない限り無益な労働と無駄なコストがなくなることはありません。

 

究極、広告業界で言えばメーカーや銀行の発注元がデザイン会社に直接仕事を投げればいいんですよ。そうすればマージンも発生しないですし無駄なコミュニケーションコストも発生しないですし、双方にとってメリットがあります。

 

こういうこと言うと広告代理店の人は、

「何を言うんだ!!全体的な広告戦略を考えるのが広告代理店の仕事だ!!」

とか言うんでしょうけど、本当に広い視野で俯瞰的に事業内容を捉え、全体的な広告戦略を考えられている広告代理店って世の中に何社あるんですかね?

大手はともかく、僕は世の中の大半の広告代理店、広告制作会社はただの伝言ゲームしかしていないと思っています。

 

90%の広告会社は無くなっても社会は回るし、むしろ無駄な労働がなくなるので世の中スッキリすると思いますよ。

 

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ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。


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