本日は、「主任に昇進するも、うつ病で会社を休職することになってしまった体験談」をお話ししたいと思います。
今回の取材に協力してくださったのは、某大手メーカーに勤務するAさんです。
Aさんは新卒で某大手メーカーに入社し、システム管理部に配属。入社6年目で、晴れて主任に昇進することとなりました。
しかし、昇進に喜ぶのも束の間。
昇進後は仕事量も大きく増え、責任も大きくのしかかり、最終的にはうつ病になって会社を休職することとなってしまったのです…
ということで本記事では、Aさんの体験談をもとに、
・うつ病(昇進うつ)になるまでの経緯
・うつ病の初期症状と、うつ病の実体験談
・どうすれば事前にうつ病を防ぐことができたのか?
これらについて一緒に学んでいきたいと思います。
「せっかく昇進したのは良いけれど、責任は重いし、仕事が大変すぎる…うつ病の一歩手前だ…」
このような悩みを抱えている方にとっては、非常に参考になる内容だと思います。
過去の事例を学ぶことで、未来を予測することができます。うつ病を事前に防ぐためにも、是非とも最後までご覧ください。
目次
うつ病(昇進うつ)になるまでの経緯
まずは、システム管理部に所属するAさんが主任に昇進し、うつ病になるまでの経緯について見ていきたいと思います。
主任に昇進し、気合が入る
コロナ渦の真っ只中、社会人6年目のAさんは主任に任命されることとなります。同時に、社内システムを刷新するプロジェクトのリーダーにも選ばれました。
チャンスというのは一気にやってくるもの。Aさんは一介の平社員から主任へ昇格。さらに、プロジェクト全体を統括する立場にも選ばれたということで、俄然気合が入ります。
Aさんは、昇進直後の心境について次のように言っていました。
昇進直後は、会社からの期待もあり、「結果を出さなければ!」という思いでいっぱいでした。
やってくる仕事を断ることもなく、とにかくガムシャラに仕事をしていたと思います。
上司からも「期待しているよ!」というような言葉をかけられていたようでして、Aさんは会社の期待に応えようと、与えられた仕事を断ることもなく、とにかく一生懸命に仕事をしていたということでした。
しかし、急に仕事量が増えたということで、残業が多くなってきました。
また、今までは仕事でミスをしても自分1人の問題として完結していたのが、上の立場になるとそうはいきません。
部下の誰かがミスをすれば、それは自分の責任となってしまうのです。
仕事量が増え、責任も増え、残業時間も増える…見えないストレスがAさんを蝕んでおりました。
そして、主任に昇進してから半年ほど経過し、Aさんにある異変が起こってきます。
起きる時間が始業時刻ギリギリになってくる
Aさんへの異変は、朝に起きました。
普段は始業1時間前にはしっかりと起床していたAさん。
しかし、起きる時間が始業ギリギリになってきたのです。
もちろん、仕事のほとんどはリモートワークですから、9時始業だとしたらその前にPCを立ち上げていれば良いだけの話です。
ただ、それでも起きる時間が8:30、8:45….と、どんどん始業ギリギリになっていきました。
ひどい時だと、始業の10分前に目が覚めるとかもありました。
今まではそんなことなかったのに、始業ぴったりの時刻でしか仕事を始められない状態になっていたのです。
Aさん本人は「疲れのせいかな?」と思っていたとのことですが、振り返ってみれば、朝に起きられなくなってきたというのはうつ病のシグナルだったのです。
ある日、会議中に涙が止まらなくなる
「朝起きられないなあ…疲れが溜まるなあ…」となんとなく感じていたある日のこと。
いつものリモート会議中に、Aさんの目から突如涙が溢れ出てきます。
特に誰から怒られていたわけでもなく、何もない時に、本当に突然その時はやってきたのです。
慌ててカメラを切るAさん。
会社の人にバレないように、会議中に延々と泣いていたということでした。
会議に出席している最中に「あれもできてない」「これもできていない」ということで、頭の中がパニックになりました。
自分の感情がぐちゃぐちゃになり、涙が止まらない状態になりました。
上司に怒られていたとか、誰かに詰められていたとかは全くありません。ただ会議に出席していただけで、頭が混乱し、ただただ涙が止まらない状態になったのです。
リモート会議でしたのでカメラを切ってバレないようにして、会議中にずっと一人で泣いていました。
Aさんはそんな状態になってから1週間ほど仕事を続けるも、もはや正常な判断で仕事ができる状態ではありませんでした。
そこで、社内のカウンセリングを受診することに
こちらもリモートでカウンセリングを受けたということですが、カウンセリング中も涙が止まらないし、コミュニケーションも取れない状態だったということ。
その時点でカウンセラーさんからは、「もう会社を休みなさい」と言われ、その日のうちに事情を上司に報告。
そして、会社をしばらく休職することになったのでした。
メンタルクリニックでうつ病と診断され、会社を休職
メンタルクリニックに行ったところ、Aさんは「軽いうつ病」と診断され、しばらく会社を休むことになりました。
「うつ病」と診断されてからも、しばらくは何事もなかったかのように動けていたそうですが、実家に帰った直後、緊張の糸がプツンと切れます。
Aさんは携帯すら見ることができず、実家でただ寝たきりになる状態が1ヶ月くらい続くことになったのでした。
実家に帰ってから1ヶ月ほどは、本当に何もできませんでした。
ただただ、親が作ってくれるご飯を食べて、寝るだけの毎日でした。
1ヶ月くらい経過して、ようやく軽い散歩ができるようになりました。
3ヶ月ほど経過したら、すっかり元気になったようで、その後は無事に職場へ復帰したとのこと。
ただ、「疲れやすい」「集中力が続かない」という状態がまだずっと続いており、時短で残業なしという条件で働いているということです。
せっかく「昇進」したにも関わらず、「昇進」したことによってうつ病になってしまったという事実…なんともいたたまれないですね…
昇進うつ・出世うつを招いた、 3つの理由
以上、Aさんの昇進うつ実録を見てきたわけですが、昇進うつ・出世うつを招いた理由は果たしてなんだったのでしょうか??
単純に、「仕事量が多い」「責任量が大きい」「労働時間が長い」「ストレスが多い」など理由はいろいろあるとは思いますが、それ以外でAさん本人が要因として挙げていた点が3点あります。
その理由を3つほど見ていきましょう。
他人に責任を転嫁することができなかった
1点目は、仕事のミスを他人のせいにすることができなかったという点です。
昇進前は、仕事でミスをしたりしても、それを上司の指示出し不足のせいに考えたりすることができました。
しかし、主任に昇進してからは、部下への指示出しを間違えてしまえば、それは完全に自分の責任になってしまいます。
部下は優秀でしたので、指示を出せばきちんとその指示通りに仕事をこなしてくれます。だからこそ余計、自分がきちんとした指示を出せないことに憤りを感じました。
仕事のミスを「誰かのせい」にできたら、逃げ道がある分もう少しマシだったかもしれません。飲み会で愚痴でも言ってガス抜きができたと思います。
しかし、誰かを管理する立場になると、ミスを誰のせいにすることもできません。全て自分の責任になってしまいます。
個人的には、それが大変なストレスでした。
責任感が強い故のストレスですね。
平社員であれば、上司などに責任を転嫁することができますから気はもう少し楽でしょう。
昇進は会社員の憧れでもありますが、「逃げ道がなくなる」という点は大きなデメリットですね…
キャリアへの不安が大きかった
2点目は、自身のキャリアに対する大きな不安です。
そもそも「社内システムの管理」という仕事をずっと続けていて、「自分のキャリアは大丈夫なのか?」という漠然とした不安がありました。
せっかく昇進もしたところで、「ここで結果が出せないとなると、この先の人生はもっと厳しくなるのではないか?」という考えが、ますます自分を追い詰めてしまったと思っています。
また、仮に今のキャリアを順調に歩んでいったとしても、社内の仕事をこなしているだけでは潰しが効くスキルを身につけることができず、転職しようにもできません。
そんなわけですから、「この会社で踏ん張るしかない!」という思いが強くなり、ますます逃げ道を塞いでしまったと思います。
「この会社で踏ん張るしかない!」という発想はかなり危険な発想です。
「仮にこの仕事がダメだったとしても、転職すれば良いや」くらいに考えておいた方が、メンタルも楽になります。
その点で、Aさんは仕事のミスの逃げ道も、キャリアの逃げ道もどちらも自ら塞いでしまったわけですね….
1人暮らしでリモートワークのため、悩みを相談できる相手がいなかった
3点目は、1人暮らしでリモートワークのため、悩みを相談できる相手がいなかったという点です。
コロナ渦で外出もできず、気晴らしもままならないわけですから、そのストレスたるや相当のものだったでしょう…
もっと早く、仕事を断っていれば、うつになるのは防げたかもしれない….
最後にAさんは、「あの時もっと早く仕事を断っていれば、うつになるのは防げたかもしれなかった…」と述懐しています。
今考えれば、「仕事が多いです!」「きついです!」というSOSをもっと早く上司に伝えておけばよかった…と思っています。
当時は昇進したばかりでしたし、変に気合も入っていましたから、「この仕事は自分には無理です!」なんて言うことはできませんでした。
上からも期待されていたので、大きな仕事をどんどん引き受けて、どんどんキャパオーバーになっていきました。
どこかのタイミングで、「この仕事は自分には無理です!」と上に伝える。これをやっておけば、うつ病になることはなかったんじゃないかと思います。
「仕事を断る」というのはなかなか難しいですが、全ての仕事を引き受けていては、どこかでキャパオーバーになるのは目に見えています。
「もう自分には無理だ…」と感じたら、そこでガムシャラに頑張ってしまうのではなく、「諦める」という選択をするのも重要でしょう。
昇進うつ・出世うつを予防するための対処法
では、Aさんの事例を見てきたところで、いわゆる「昇進うつ」「出世うつ」を予防するための対処法を考えていきたいと思います。
対処法としては、ズバリ、
“無理そうなら、逃げる”
これに尽きます。
Aさんの場合、「朝起きることができなくなった」時点で、仕事を辞めるべきだったんです。
なぜならそれは、「もうこれ以上働くことはできないよ!」という身体からのSOSだったからです。
その警告を無視して仕事をやり続け、次第に身体が限界に近づいてくると、今度は身体が「涙を流す」などの強硬手段に出て、理性を押さえつけるようになります。これが最終段階です。
この段階になってしまっては、もう遅いのです。
目から涙が止まらなくなったり、玄関で足が動かなくなったりするのは、身体が悲鳴をあげて理性を押さえつけている段階です。
この段階まできてしまうと、Aさんのように1ヶ月寝たきりの状態が続いたりしてしまいます。そうなってはもう、取り返しがつきません。
要は、「朝起きられない」とか「涙が止まらない」とか「不眠が続く」というのは、身体からのSOSであるということを理解した方が良いのです。
身体は、様々な方法を駆使して僕らの理性に体調の異変を訴えてきます。
それは、Aさんのように朝起きられないことかもしれませんし、涙が止まらなくなることかもしれません。不眠が続くことかもしれません。お腹が痛くなることかもしれません。
そういった身体からのSOSが出てきたら、もう仕事なんてする必要はないわけです。堂々と会社をブッチすれば良いんです。
(この辺りのお話は、精神科医である泉谷閑示先生の著書「うつ」の効用 生まれ直しの哲学 (幻冬舎新書)が詳しいです。興味のある方は是非読んでみてください。)
身体が出社を拒否しているわけですから、会社になんて行く必要はないわけです。堂々と会社を休めば良いのです。
日本人は幼少期から「嫌なことから逃げてはいけない!」と教え込まれますが、そもそも「逃げる」ことは古来から最も有効な戦略です。
「ニュータイプの時代」という本には、次のような記述もあります。
魏晋南北朝時代に編纂された有名な兵法書「兵法三十六計」の最後には、「走るを上と為せ」という項目があります。これはつまり、「逃走は最善の策である」という意味です。
すなわち、「逃げる」ことは古来から有効な戦略だったわけです。
だからこそ、体調に何かしらの異変が起きて、「ヤバそうだ」と感じたら、さっさと逃げることは自分の身を守る上でも最適な戦略なのです。
Aさんも、「朝起きるのが辛い…」と思い始めた頃にきちんと仕事を辞めることができていれば、うつ病にもならなかったかもしれません。
仕事を辞めるというのは、休職でも、部署異動でも、退職でも、どれでも構いません。とにかく、「ヤバかったら今の仕事から離れる」という点を重要視して頂ければと思います。
「逃げたいのは山々だけど、そんなことを上司に伝えても怒鳴られるだけだよ…」
「自分がいなくなったら、会社が回らないよ…」
なんて思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな方こそ今すぐ逃げてください。そんなクソ職場で働いても、未来はありません。
今や、「退職代行」なんてサービスもある時代です。
こうしたサービスを利用すれば、会社の就業規則がどうなっていようとも、ラインを1本入れるだけでその日から会社に行かなくて済むようになります。
ですので、上司の説得が面倒だったり、今の会社にいたままでは現状は改善しないと考えられる方は、退職代行サービスを利用してみるというのもアリかもしれません。
オススメの退職代行サービスとしては、退職代行ガーディアンが最もオススメです。
ここは東京都に認証されている合同労働組合が運営している組織ですので、違法性なく安心・確実に即座に退職することができます。
「今の仕事から逃げたいけど、逃げられない…」という方は、こちらから相談ができますので、今すぐ利用してみてください。
ちなみに、僕自身も嫌な会社から逃げて逃げて逃げまくることで、最終的にはWeb業界に転職し、自由な働き方を手に入れることができました。
僕が日系企業の営業職から逃げて逃げて、Webマーケティング職に転職した人生が変わった話については以下記事で詳しく書いておりますので、興味のある方は是非とも合わせて読んでみてください。
→日系企業の営業職からWebマーケティング職に転職して人生が変わった話
ではでは、自分の健康を第一に考え、「ヤバイと思ったら逃げる!!」この価値観を持った上で、この世知辛い日本社会を生き抜いていきましょう。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
ちなみに、
①ブログには書けないようなさらに濃い話
②就活や転職をする際に、必ず知っておくべきこと
③僕が長い年月をかけて編み出した「感情マーケティングを応用した必勝面接術レポート」
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