メーカーを志望する就活生のみなさんは企業の工場見学へ行く機会も多いことでしょう。
本日は工場見学を“実施する”側のお話をしたいと思います。
メーカーの工場を無料で面倒な申し込み無しに見学できる機会なんてそうそうありませんので、是非とも活用して現場の雰囲気を体感していただければと思います。
しかし、工場を案内してもらって企業研究をするのも勿論いいことなのですが、工場を案内する側の仕事内容を把握することもある意味重要であると思うのです。
就活生のみなさんは工場見学というサービスを受ける側の立場でありますが、工場見学というサービスを提供する側の立場も知っておくに越したことはないでしょう。
僕はメーカーで学生に対して何度も工場見学案内業務を行ったことがあるので、その準備の大変さ、現場での気遣いの重要さを身に染みて実感しています。
今回は僕の経験を踏まえ、工場見学では事前にどのような準備がされているのか、現場は何に気を遣っているのか、をお話したいと思います。
具体的に、工場見学案内業務の裏側を一から順に説明してみたいと思います。
目次
事前説明会準備とリハーサル
工場見学を始める前に、必ず事前準備とリハーサルがありますので、まずはそこのお話をしたいと思います。
工場見学に来る学生の人数を把握し、配布物を準備
工場見学本番前の説明会、つまりは会社説明会に参加する学生へ配布する粗品、お茶、そしてパンフレットの準備をします。
全て参加予定人数より多めに準備し、会場へもって行きます。
会場へ到着したら机の上にひとつひとつパンフレットと粗品を配置するのですが、全てどこに何をどんな向きで置くのかは決まっています。
例えばペットボトルのお茶であれば必ずラベルが座席のほうに向くように置きます。
パンフレットは全てデスクの角と垂直になるように配置します。
粗品のペンも全て同じ向きに、会社のロゴマークが見えるように置きます。
皆さんも説明会に到着したら配布物がどのようにデスクに置かれているかに着目してみてください。
きちんとした会社であればきちっと統一されて置かれていると思います。
「会場はこちら」の看板を置く
学生が道に迷わないよう、門から工場までの間にいくつか立て看板を設置します。
映像・パワポ準備
説明会で放映予定の映像と、パワポのスライドがきちんと映し出されるかどうか確認します。
リハーサル
リハーサルは実際に社員を座らせてスライドを写しながら会社概要の説明を行います。
言葉遣い、説明が分かりにくい箇所、スライドミス、等々あれば全てその場でダメだしを食らいます。
会社説明会のリハーサルが終わったら、次は学生たちを引き連れて工場へ案内するときのリハーサルを行います。
一気に案内すると大人数になるので、いくつか班に分けて別々のルートで誘導します。
そしてこのとき、リードする社員によって説明のうまさにかなり当たり外れがあります。同じ工場で働いている人でも説明がうまい人、よくしゃべる人、色々いるものです。説明がうまい社員にあたるとラッキーです。
実際に一通り工場の中を回って、スムーズに原稿を読めるようにリハーサルをします。
リハーサルが終わったら、学生たちの到着を待ちます。
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学生到着・本番
学生が到着したら説明会会場へ案内し、説明会開始時刻まで立って待ちます。
ちなみにこのときの立ち方もマニュアルがありまして、足は肩幅に開き、背筋を伸ばし直立に起立し、そして手は腰前へ押し出して組んでおきます。
立っているときの手の組み方にもマナーがありまして、右手(一般的な利き腕)を前に、左手を後ろにします。
このマナーは刀をしまっている動作に由来しているといわれております。
相手に両手を見せることで、斬りつける気は無いということを周りにしらしめているわけですね。
手を後ろで組むのは論外です。これは相手に隠し事をしているように見えたり、ふんぞりかえって偉そうに見えるという理由からマナー違反であるとされています。武士の時代では、武器を隠し持っているのではないかという疑いをかけられてしまうわけですね。
これが説明会最中の社員の立ち方なのですが、皆さんも会社説明会に行ったときは確認してみてください。
説明会中にもし手を後ろに組んでいる社員さんがいらっしゃったら、その会社はマナー教育がしっかりできていない会社ですよ笑
説明会開始
説明会が開始されたら、プレゼンする人は前でプレゼン、その他の社員は特別な仕事の準備がなければ上述の通り失礼の無い姿勢で直立しておきます。
説明会が終了したら、工場見学案内開始です。
工場見学案内開始
工場見学案内は誘導する人の腕の見せ所です。
学生を誘導するときには社員が必ず守らねばならない決まりがあって、それが次の点です。
扉は必ず社員が開けて、押さえておく
誘導中、学生さんには絶対に扉を開けさせてはいけません。お客様だからです。そのため、工場見学の誘導のときは前に社員2人、後ろに社員1人で学生たちを挟み込むというフォーメーションをとります。
前に立って学生たちを誘導する2人の社員のうち1人は説明役、もう1人は扉を開けて押さえておく役です。扉を押さえておく役の社員は同時に説明役の社員の補佐役も担います。
こうすることで説明役の社員は説明に集中することができ、補佐役は常に学生たちが工場見学に集中できるよう気を配ることができます。
学生たちの後ろに金魚の糞のようにくっついてくる社員1名は、もちろん最後尾の学生がはぐれないように見守る役です。また、学生から質問が出た場合はそれに答える必要もあります。
制限時間を守る
もちろんですが、工場見学には時間制限があります。
そのため、あまり集中して学生に現場を見せてあげることはできません。
短時間で効率よく学生たちの群れを引き連れなければならないのですから実はこれってかなりのスキルが必要になります。
短い時間で効率よく工場内を回って、説明を聞かせてあげるんです。かなり練習しないとうまくできないですよこれ。
また、見学者は気になる箇所があるとそこで立ち止まってしまうのですが、これが非常に厄介。
学生の群れ全員を同じ速度で引き連れ、同じ説明を聞かさねばならないのですから、なんとかはぐれさせないように誘導してあげる必要があるのです。
どこかで立ち止まっている人がいたら、
「そこの君!質問は後でまとめて受け付けるから、はぐれないようにちゃんと前についてきてくださいね!」
と大声で指摘しないといけないのです。
これ、旅行会社のガイドとほとんど同じノウハウなんですよね。
旅行会社のガイドはもっとすごいです。言うことを聞かないおばさんなんかも相手にして時間内に群れを引き連れるんですから。しかも1人でこなしていますからね。旅行会社のガイドは1人で最後尾まで気に掛けつつ群れを誘導し、説明もするんですからその実力たるや歴然です。
工場見学案内の仕事をして始めて旅行ガイドさんのすごさに気づきましたよ。
ちなみに、説明地点に何時までに到着する、という目安が具体的に決まっておりまして、それに基づいて歩く速度を速めたり説明速度を速めたりします。
遅かったり早かったりすると他の班とバッティングしてしまうのです。
例えば、(接着工程の説明は14:30からだけど、もう14:28だ。説明は簡単に終わらせないとな…)みたいな感じで時間に気を配りながら工場を案内するのです。
工場見学案内は説明者の時間との戦いでもあるんですね。
この文章をご覧になった就活生の皆さんは、是非説明担当の社員さんを気遣ってあげてくださいw
説明会会場に帰還後、質問タイム
最後、会場に戻ったらトイレ休憩を挟んでの質問タイムです。
どんな質問をしても社員さんは丁寧に答えてくれます。がんがん質問しましょう。
また、質問に答えるというのは社員さんにとってもかなりの勉強になるのです。
僕もこの時間が一番勉強になっていました。
鋭い質問をして社員さんを困らせてあげましょう。
お見送り
全ての工程が終わったらお見送りです。
ここまでくると晴れやかな気分になります。送り出して終了です。
終了後、後片付けをしながら社員同士で参加者の好評をする
工場見学、説明会時恒例の参加者好評タイムが始まります笑
やっぱり鋭い質問をしまくった子はかなり印象に残ります。
社員の間でも、「あの子めっちゃ頭よかったね~!」とかなります。
だから質問をたくさんすることは重要です。あんまり馬鹿な質問をすると逆効果ですが、社員さんの目に留まるのは間違いありませんので、がんがん質問しちゃいましょう。
そして印象に残らない子というのは、やっぱり質問をしない子ですね。
疑問なんか湧くに決まっているんですから、遠慮せずに質問しましょう。
よほど変な質問で無い限りは損は無いです。
以上、説明会を含めた工場見学案内業務の舞台裏でした。
就活生のみなさんは是非ともこの記事を参考して社員さんの気遣いを感じると同時に、多くのものを学び取りましょう!
そして質問でアピールしちゃいましょう!
多少なりとも選考で生きてきますよ!
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