先日、Webマーケターとして働く僕の知人が会社をクビになりました。
Web業界は確かに自由で働きやすい業界なのですが、成果を出さなければクビを切られることもある厳しい業界だということを認識しておくべき必要があるでしょう。
ということで本日は、Webマーケターを会社都合でクビになった実体験談について、彼の証言をもとに書き下ろしていきたいと思います。
「Webマーケターは完全リモートワークOKだし、いつでもどこでも働ける最高の仕事!」
これは確かにそうなんですが、しっかりと成果を上げることができていなければクビになる可能性もある厳しい仕事、それこそがWebマーケターだということを僕らは認識しておくべきでしょう。
本記事では、
■彼がWebマーケターをクビになった経緯
■どのような理由でクビを宣告されたのか?
■退職後、どのように転職活動をしたのか?
これらについて、彼の実体験談を元に具体的に書いていきたいと思います。
Webマーケターになれたからといって、それでもう人生安泰ではないんです。
Webマーケターの方、あるいはWebマーケターを志されている方は是非とも参考にしていただければと思います。
では、見ていきましょう!
目次
コロナ不況がWeb広告業界を直撃。Web広告代理店は大ダメージを受ける
彼がWebマーケターをクビになった理由、それは、一言で言えばコロナのせいです。
2020年3月、コロナ感染者が日本で爆増し、初めての緊急事態宣言が発令され、日本が混乱に陥っていた時のことです。
この時は日本中の企業が苦境に陥っていたわけですが、Web業界広告業界は特に苦境の真っ只中でした。
なぜなら、不況が到来して真っ先に削られる予算は“広告費”です。
各企業は、まずは広告費を絞って苦境を脱しようとするのです。
そんなわけですから、Web広告を専門に取り扱うWeb広告業界は軒並み売上がダウンしました。
既存の取引先からは広告費予算をカットされ、新規の取引先を確保するのも一苦労といった状態…
そして何より緊急事態宣言の発令により、社員は強制的に完全リモートワークとなりました。
「完全リモートワークよっしゃあ!!」と喜んでいるのもつかの間、ある意味、完全リモートワークとは働く社員と働かない社員を浮き彫りにする制度でもあります。
完全リモートワークということで、彼は悠々自適に毎日を送っていたのですが、そんなある日のこと、上司から呼び出しを受け、個別ミーティングが設定されました。
上司からは、
「今後の働き方について相談があります。」
という一言が送られるのみ。
彼は「なんだろう?」と思い、いざ個別面談へと向かいます。
そして面談当日、彼は上司から退職を促されることとなります。
上司に呼び出され、退職を勧められる
上司に呼び出された彼、一体何を言われるかと思いきや、率直に言うとクビを宣告されました。
とはいえ、
「お前はクビだ!」
なんて面と向かって言われるわけではなく、次のような感じで優しく、上司から自主退職を勧められたそうです。
「今はみんな知っての通りコロナの影響で会社も苦しい状態…
正直、会社側としても自分たちの業務をこなすので精一杯で、社員たちのフォローをする時間も余裕もない。
みんなをしっかりとフォローして、社員と会社が一緒になって成長していけることが望ましいのだけど、今はそれができそうもない。
このままの状態がずっと続くならば、会社にとっても社員にとっても良いことではない。
無理にとは言わないけれど、次の転職先が決まるまでは面倒を見るから、会社を辞めることを考えてみないかい?」
こんな感じで上司から諭されたということでしたw
なんだか良いように言っていますが、結局はテイの良いコストカットだと、彼はその時思ったそうです。
Web広告業界は確かに自由な働き方を実現できる最高の業界かもしれませんが、“自由”の代償は”成果”です。自分から能動的に動き、自ら利益を上げることが求められます。
つまり、言われたことだけをこなすマニュアル人間はお呼びでないのです。
彼はどちらかというと、言われたことを淡々とこなす公務員タイプで、新進気鋭のWeb業界には向いていないタイプでした。
どちらかといえば、「会社から特に何も言われない限り、できれば何もしたくない。与えられた仕事だけ淡々とこなしていたい」と、こう思っているタイプです。
そんなわけですから彼自身も、
「上司の口ぶりは穏やかだったけれど、完全リモートワークになって働かない人を除外したい感じだった。」
と言っていました。
コロナという危機的状況なわけですから、会社側としても
「自ら能動的に働いてくれる人だけ欲しい」
と、こういうことだったわけですよね。
上司は良いように言っていたのかもしれませんが、要は“退職勧告”だったと、そういうわけです。
もちろん、彼には断る権利もありましたが、上司の言う通り、このままリモートワークで働かずにお金だけもらっていてもラチがあかないと思ったということで、退職勧告を受け入れ、会社を辞めることを決意したとのことでした。
退職決定後、退職交渉を有利に進める
ということで、彼は会社都合での退職が決定しました。
ここで興味深かったのが、会社都合だったので退職交渉を彼の側から有利に進められたということです。
というのも、さすがに会社側から「辞めてくれ」と言うわけですから、「次の転職先が決まるまではウチに籍を置いたまま給料をもらって良い」とそういう条件付きだったということです。
まあ確かに、会社をクビになってからの転職活動は厳しいものがありますから、そのくらいの譲歩はあって良いものですよねw
この辺りは、利益水準の高いWeb業界ならではだと思います。
儲かっていない業界だったらこんな流暢なことは言っていられないと思うので、キャッシュに余裕のあるWeb業界の優しさだと思います。儲かっているのは正義ですね。
ということで彼は、次の転職先が見つかるまでは会社に籍を置いたまま、完全リモートワークで給料をもらいながら転職活動ができるという環境を手に入れたのです。
ただし、もちろん永遠に転職活動をやっているわけにはいきませんから、「3ヶ月以内」という条件付きだったとのことです。
Webマーケターのキャリアを活かし、転職活動を開始
ということで、彼は現職のWebマーケティングの経験を活かして転職活動を開始しました。
Webマーケターとしてのキャリアを活かすということで、転職エージェントはマスメディアンを利用して転職活動を開始。
マスメディアンとは、知る人ぞ知る「宣伝会議」のグループ会社でして、Webマーケターに特化した転職・就職支援会社です。
宣伝、広報、マーケティング、Web広告….こういった職種に携わっている人であれば是非とも利用しておきたい転職サービスです。
さて、彼はマスメディアンに登録し、電話で転職エージェントさんと面談をすることとなります。
もちろん、面談では「会社都合での退職」ということは隠しつつ、次のような条件で求人を探してもらうこととなります。
■リモートワークが可能で、働きやすさが柔軟なWeb広告代理店
■お給料はそこそこ
■Web広告運用と営業の経験を活かせる職種
これらを条件として求人を紹介してもらったということです。
まあ、Web系ならなんでも良いという感じで求人を紹介してもらったみたいですねw
転職エージェントさんからはメールで30社くらいのWeb系求人を紹介してもらい、そのうちの10社ほどを受験したということでした。
経験者ですからほとんど書類は通過し、面接はほぼWeb面談。
最終面接だけ来社面談というところが多かったようです。
面接の場では、
「営業活動をどうやっていたか?」
「つまずいた時に、どのように対処していたか?」
「どのようにクライアントと接していたか?」
「なぜWeb広告の営業マンというキャリアを選択したのか?」
「今後どういうキャリアを歩んでいきたいか?」
などなどを聞かれたということです。
まあ、この辺は一般的な面接と同じですね。
10社を受験して、そのうち3社ほどが最終面接までたどり着き、そのうちの1社から内定を獲得したということでした。
彼はSNSマーケティングに詳しかったので、SNSマーケティングに課題を感じているWebマーケティング会社から高評価を受け、転職を成功させたということでした。
Web業界では、何か1つでも秀でたスキルがあればそれをどこかしら評価してくれる企業はありますから、転職もうまくいきやすいですね。
この辺りは、Web業界に就職するメリットだと思います。
別のWeb広告代理店に転職し、再び自由気ままに働けるように
というわけで彼は無事に転職を成功させ、再びWeb業界で働くことができるようになりました。
現在の彼の働き方は、もちろんWeb広告業界な訳ですから、
■リモートワークはできる
■出社は自由
■フレックス制(10時〜19時)
というWeb業界特有の自由な環境です。
クビを宣告されはするものの、やはりWebスキルさえ身につけておけばいつでもどこでも自由に働ける環境が手に入るのですから良いですよね。
Web業界は、成果を出せなければ干される業界ということは理解しておけ
ということで以上!「Webマーケターを会社都合でクビになった実体験談」でした。
色々書いてきましたが、彼から学べる教訓は一つです。
“Web業界に就職してWebマーケターになれたとしても、それで安泰とは限らない”
ということです。
「自由の代償は成果である」
とはよく言ったもので、Web業界でPC1台で完全リモートワークで自由に働く!と言えば聞こえは良いけれど、常に成果を上げ続けなければならないというのは厳しいところですよねえ
— タコペッティ (@syakaisei) May 24, 2021
■完全リモートワーク可能!
■PC一台で自由な生活を送れる!
■いつ起きてもいつ仕事をしてもいつ寝ても自由!
こんなライフスタイルを実現できるといえば聞こえは良いですが、自由の代償は成果です。
常に成果を上げ続けなければ自由なライフスタイルを維持することは難しいということを、僕らは認識しておくべきでしょう。
とはいえ、自由に合理的に働きたいという人にとってはWeb業界は最高の業界です。
事実、僕は老舗の日系大企業からWeb業界に転職して、人生は変わりました。
僕はかつて、某日系企業にて営業職として勤務するしがないサラリーマンだったのですが、毎日律儀に会社に出社し、言われた仕事を淡々とこなし、ヨレヨレのスーツを着て外回りに出かける…そんな典型的なしがないサラリーマンでした。
そんな僕が変わることができたのは、まさしく、Web業界に転職してWebマーケターという職種に巡り会えたおかげだと思っています。
僕が日系企業の営業職からWebマーケティング職に転職して人生が変わった話については以下に詳しく記事を書いているので、興味のある方は是非とも読んでみてください。
→日系企業の営業職からWebマーケティング職に転職して人生が変わった話
経営コンサルタントの大前研一さんも言っていますが、自分を変えるためには「居場所を変える」というのが一番なんですよね。
古色蒼然たる終身年功制でガチガチの組織に骨を埋めて毎日を消耗させるよりかは、いくらクビになる可能性があろうとも、僕はWeb業界で毎日を自由に刺激的に生きていきたいです。
ではでは、今日はこの辺で
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
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