「企画」「販促」…就活生は本当に大企業の企画職やらマーケティング職が大好きです。
就職説明会や面接で何度も「マーケティングがやりたいです!」「商品企画がやりたくて…」と主張する学生を見てきました。
きっとテレビやドラマで企画やマーケティング職の華やかでカッコいい場面が映し出されるからでしょう。確かに学生にとって華やかでカッコいい仕事に見えるかもしれませんが、現実はというとその華やかさとは裏腹に泥臭く、かつ緻密な根回しが要求される仕事です。
やりがいがあって楽しい仕事ではあると思いますが、表面上の華やかさ以上に煩雑な業務・緻密な対人調整の仕事が多いので、就活生は表面上の部分だけでなくそういった泥臭い仕事の部分も理解しておく必要があります。
というわけで今回は、「就活生が認識しておくべき企画・マーケティング職の裏側の泥臭い業務」についてお話したいと思います。
就活生は「イベントサークルでイベントを企画してきました!」とか「学園祭で実行委員をこなしてきました!」とかをアピールポイントにしてくると思いますが、今回のお話を知っておけばそういった自分の経験の中でもどこをPRすればよいかが分かると思いますので、ご参考にしていただければと思います。
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営業以上に要求されるコミュ力
「コミュ力」と言うと営業職をイメージされる方が多いと思いますが、マーケティング職は営業職以上にコミュニケーション能力が必要になります。
例えば何かひとつイベントを企画するとしましょう。イベントというのは展示会の出展や、会社説明会の出展など色々あると思いますが、その運営のためには社内社外問わず様々な人たちと関わらなければいけません。
例えば展示会を運営するのであれば社内では開催の半年ほど前から営業部と会議を重ね、その展示会のコンセプト、集客目標、出展製品といったところを練ります。
社外では会議と並行しながらブース施工業者、ノベリティ業者、カタログ業者を決定します。
業者はコンペで決める場合もあれば、社内会議で話し合って決める場合もありますが、各業者の案をまとめ上げ、会議で報告するのもマーケティング部の仕事になります。
さらに、付き合う業者が決定したらその日から展示会本番まで毎日のように業者とやり取りをし、より良い展示会を運営すべく折衝・調整をやり取りする日々が続きます。
学生にとっては些細なことだと思うかも知れませんが、展示会で配布するペンなどのノベリティにしたって一つ決めるのにかなりのコミュニケーションを要しますからね。
数多くの会社の中からノベリティ業者を選定して、営業部に何故そのノベリティを採用するのかをプレゼンして、ロゴを入れる位置と個数を会議で決定して、役員承認をもらって、ノベリティ業者に内容を伝えて…といった過程が必要になります。
ノベリティだけでこうした過程が必要になるので、他の販促物に関してはさらに多くのコミュニケーションが必要になりますよね。
また、社外の業者との調整ももちろんですが、社内の開発や営業ともコミュニケーションをしっかり取って意見を吸い上げることが重要になります。
例えば展示会で配布するカタログを1つ製作するにしても、営業と開発双方の意見を汲まねばなりません。
開発は「製品の性能をアピールしたい!」と思っても、営業は「性能よりもむしろ使いやすさ、用途をアピールしたい!」と思うかもしれません。
マーケティング部は双方の意見を尊重しながら、双方を納得させる落としどころを探らねばならないのです。
これは学生には経験の無い、非常に高度な調整力・コミュニケーション力が求められます。
カタログの内容が決定したらまたカタログ業者のやり取りが必要になりますし、展示会直前にはカタログを配送する運送業者の手配も必要になってきます。
まさに企画・マーケティング職は緻密な折衝・調整が必要なコミュニケーション職種と言えるでしょう。
自称コミュ障の人はちょっと考えましょうねw
商品・サービスの企画なんかほとんどできない
これは意外かもしれませんが、就活で学生たちが目を輝かせてやりたがる「商品」「企画」のサービスなんか実際にはほとんどできません。
なぜかというとこれは大企業に顕著なのですが、基本は上が決めた意見に従ってコンセプトを決め、それに則って各種手配や折衝を行うからです。
また、結局モノを実際に売るのは営業部ですので営業部の意見のほうが色濃く反映される場合のほうが多いです(これは会社によって異なるでしょうが)
一社員がコンセプトを決定するなんて役員クラスにでもならないと無理ですから、自分で商品・サービスの企画を練ろうと思ったらそれこそ出世のための厳しい戦争を勝ち抜かなければなりません。
商品を作るのだって開発の意見が優先ですからね。
現実はマーケティング部の仕事は営業や開発の意見を汲み取った折衷案を元に、板ばさみになりながら役員の決定したコンセプトへ向かって手配・調整業務を行うことがほとんどです。
こうした現実は就活生の皆さんには伝えられていないのではないでしょうか?
社内資料・プレゼン命
マーケティング部は職種柄、役員など上役へプレゼンする機会が多いです。
例えばノベリティの例で行けば
「今年展示会で配布するノベリティはこちらの3点が候補に挙がりました。1つ目を配布する利点として~」
といった感じで役員へプレゼンします。
どんな事項も上の承認あってのことなので、必ず事前に営業部含めてなぜそのコンセプトにするのか、なぜ展示ブースのそこにその製品を配置するのか、なぜノベリティはそれを配布するのか、の理論詰めをして上へ報告します。
このときにプレゼン内容と資料が詰められていないと、かなり追求されます。
そりゃ展示会に出展するとしたら大企業であればウン千万かけて出展するわけですから、それに見合った成果が出る内容でないと上も納得しませんよね。慈善事業やってるわけじゃないんですから。
ということで、社外よりはむしろ社内の人々を納得させる為の資料・プレゼン作成がメインになります。
プレッシャーは少ない
営業と比べたらお客さんと直接やり取りすることはありませんので、業務に対するプレッシャーは少ないです。
また、集客数が成果にあげられることが多いですが営業のようにノルマというノルマはほとんどないのでストレスもそこまで溜まりません。
手配や調整業務が多いので上の要求通りに仕事を進めていればよほどの失敗が無い限りそれなりに評価はされます。
ただ、逆に言えば失敗しないのが当たり前なので自分が担当になってから極端に集客数が減ったとか、発注ミスで展示会当日に届くはずのものが届いてない!とかなればかなり評価は下がります。
昇進は遅く、給料は上がりにくい
具体的な数字で評価が現れないため、営業のように甚大な利益を会社にもたらして社長賞をもらって昇進!みたいなケースは少ないです。
(集客数が伸びても売り上げに繋がらなければあまり評価されません。ラーメン展示会を企画して売上は伸びなくとも集客数だけ伸びて上司から評価されている島耕作はかなり稀有な例だと思います…)
また、集計や市場分析を行うことも確かにありますが、実質は集計屋になって結果を報告して終わり、ということがほとんで自分からアクションを起こさない限りはそこから改善してなにか次回に新たな企画を生み出すという機会は少ないです。
仮に提案しても「去年までこれでやっていたから…」という理由で却下されることも少なくないですね。変化を嫌うのが大企業ですから。
本当に新しい企画を始めたければ島耕作のように女性関係から攻めるか、理詰めで上司を説得しないことにはうまくいかないでしょう。
まとめ
ということで大手メーカーのマーケティング職の実態についてみてきましたが、いかがだったでしょうか。
正直こちらに記載したことは僕が経験したマーケティング業務に過ぎませんので、会社・業種によって内容は異なってくると思います。
例えば営業がいない会社なんかもありますからね。Webマーケティングのみで顧客を確保している会社とか。そういった会社ではまた別のマーケティングのお仕事になってくると思います。
また、BtoBなのかBtoCなのかによって同じマーケティング、企画職でも業務内容は全く異なってきます。
自分の行きたい会社・業界のマーケティングはどんなマーケティングなのか、しっかり事前調査をした上で選考に望むことをオススメいたします。
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