本日は、某大手家電メーカーの営業職を、わずか5年で退職した知人のお話を書いていきます。
日本の大手家電メーカーといえば、パナソニック、日立、三菱電機、ソニー….などなど、日本人で知らない人はいないでしょう。そんな日本を代表する大手メーカーばかりです。
その中の1社に、僕の友人は新卒で入社しました。
彼は慶應義塾大学を卒業後、ストレートで入社ですから、世間一般的に言えば勝ち組です。
名の知れた企業ですから、彼の親も、とても喜んでいたそうです。
しかし、いざ入社してみたら、この会社に問題は山積みでした。
①社内の評価ばかりを気にする社員たち
②創業者の言葉に縛られ、古き悪き因習を踏襲する社内文化
③お客さんのニーズを一切汲み取らない営業体制
例を挙げればキリがないですが、お客さんではなく、社内の上司に向かって仕事をする、典型的なJTC文化がそこにはありました。
(JTC=Japanese Traditional Companyの略。古き悪き伝統的日系大企業のこと)
ということで本日は、そんな大手家電メーカーの実態をとことん聞いてきましたので、彼の体験談とともに見ていきたいと思います。
彼と同じように大手メーカーで消耗している方にとっては、非常に参考になる内容と思います。ぜひ最後までご覧ください!
※以下、某大手メーカーの就職した僕の友人のことを、「Kくん」として書いていきます。
目次
新卒で、某大手家電メーカーに就職した理由
まず、Kくんはなぜ某大手家電メーカーに就職したのでしょうか?
とりあえず、慶應生ということですから、どうしても大企業に就職したいという思いがありました。
単純に、BtoCで、名の知れている大手メーカーを片っ端から受けていきました。その中で唯一、内定をいただいたのがこの大手家電メーカーだったので、そのまま就職した感じです。
特に家電が好きだからとか、そういう理由はありません。単純に、「名が知れているから」という理由です。
と、Kくんはこのようにお話ししていました。
「とりあえず名の知れている大手企業に就職すれば良い。」日本人にあるあるの思考ですね。多くの人は、この思考で失敗してしまうわけですが….
ともかく、Kくんは無事、日本人なら誰もが知っている、大手家電メーカーに就職できたわけです。
親の方も、「良かったね!」という感じで、とても喜んでくれたそうです。
Kくんは内定が決まったその時は、一生その会社で働き、出世をして、お金を稼いで….という思いでいたということです。
いわゆる、敷かれたレールに乗ったままということですね。
しかし、人生そんなに上手くいくもんではありません。
某大手家電メーカーに入社後、Kくんを待ち構えていたのは、社内の評価ばかりを気にする、大企業病に毒された人々でした….
入社後、宗教じみた研修に辟易する…
さて、そんなKくんは、入社後のとある研修で違和感を覚えることとなります。
泊まり込みの研修があったのですが、そこで強要される生活が、まるで宗教のようなものだったのです。
泊まり込みの研修では、毎朝起床したら、自分で布団を畳んで、その寮のフロア全員の点呼を取って、階段ダッシュをして中庭に集合します。
中庭に集合してラジオ体操が終わったら、故郷のある方向に向かってお辞儀をします。
その他、兵隊さんがやるみたいな、行進の練習みたいなのもやりました。
伝統的な会社だったので、「まあこんなもんか」とか思っていましたが、冷静になって考えてみると、「社会人なのに何をやっているんだろう…」と思いました。すごく宗教的ですよね。
確かに。「毎朝、故郷のある方向に向かってお辞儀をする」なんて儀式、普通の会社であれば違和感を持ちますよね。ブランドのある大手JTCだからこそ、こうした因習がまかり通っているのでしょう。
そして、6ヶ月間の研修の後、部署に配属されることになります。
Kくんは、営業部に配属されることとなります。
しかし、配属後に待ち受けていたのは、営業職とは名ばかりの、ひたすら社内に向けて仕事をする、内向きな仕事スタイルでした。
10分で説明が終わる社内資料を、若手社員が1ヶ月や2ヶ月もかけて作り込んでいく…無駄な毎日
営業部に配属されたKさんがまず驚いたのは、部長が会議で10分くらいしか説明しないような社内資料を、1ヶ月も2ヶ月もかけて作り込んでいくという事実です。
上長が会議で使用する社内資料の作成を若手社員が担当していたのですが、
「上司に、いかに恥をかかせないか!」
というアピールをするための資料作りばかりでした。
しかも、いざ会議本番になったら、僕たちが1ヶ月も2ヶ月も作り込んで、レイアウトも整えて作成した資料を、上司はものの1ページしか説明せず、わずか10秒で説明が終わることもあったんです。
社内で使用するだけの資料に、若手社員がかけた労力はなんだったのかと….
今考えたら、異常だと思いますね。
会社説明会では、
「チャレンジ人材を求めています!」
「やりたい仕事を自由にできる環境です!」
などと耳障りの良いことをアピールしておいて、入社してみたら社内向けの資料作成業務ばかりだった….というオチ
ようやく営業の仕事を任せてもらえるも、やることはクレーム対応ばかり。
さて、そんなKくんですが、ようやく営業の仕事を任せてもらえることになります。
営業先は、主に街の電気屋さんです。ビックカメラみたいな大きい家電量販店ではなく、地方のもっと小さな街の電気屋さんです。そこに、自社の家電製品を売り込むわけです。
「ようやく営業の仕事ができる!!!」と意気込んだのも束の間。
Kくんの仕事内容は、ほぼほぼクレーム対応ばかりだったのです。
営業の仕事もやりつつ、最も時間をかけていた仕事は「クレーム対応」でした。
昔からお付き合いのなら街の電気屋さんから、「価格が高すぎる」「粗利とりすぎ」「品質が悪すぎる」などの電話がガンガンかかってくるので、その対応にひたすら追われていました。
しかも、そのクレームの大半は、商品の質が悪いという理由ではありません。もちろん、中にはそういうケースもありますが、お客さんの使い方が悪いというケースが最も多かったです。
でも、そんなことをお客さんに言っても怒られるだけなので、「本当は有償対応ですが、特別に無償対応にしてあげますよ!」みたいに言って、事態を丸く収めていました。
そんな感じで、「お客さんからクレームが来たら、とりあえず丸く収める」というのが、いつの間にか営業の主な仕事になっていました…
営業という営業はほとんどせず、仕事の大半はクレーム対応….こんなんじゃ、生産性が上がるわけないし、企業全体としても成長するわけがないですよね….
ちなみに、これは祖業時代から「街の電気屋は大切にしなければならない」という教えがあったそうです。その教えを現代でも忠実に守っているからこそ、本社の幹部ですら、街の電気屋についついペコペコしてしまうようです。
とはいえ、今は時代が違います。
本来であれば、時代の変化に合わせてビジネスモデルを変えていかなければなりません。
しかし、Kくんの勤める大手家電JTCでは、創業者の教えだけが勝手に一人歩きして、物事を柔軟に対処することができなくなっていたわけです。
時代の流れに変化することができない、典型的なJTCですね…
創業者も、今の会社の姿を天国から嘆いていることでしょう。
無駄な機能ばかり付随して、自己満足ばかりの自社商品…会社に未来があるとは思えなかった
また、営業する自社商品が素晴らしいとも、Kくんは全く思えなかったそうです。
例えば、Kくんが例に挙げていたのは、「銘柄炊き分け炊飯器」です。
「銘柄炊き分け」とかいって、日本全国のお米の銘柄を炊き分けられる炊飯器があるんです。
私はこの商品を営業していたのですが、大半の人にとっては不要な機能だろうなと、思っていました。
・顧客のニーズを汲み取る
・商品に想いを込める
こんな考えはどこかにいってしまったのでしょう。「とりあえず、機能をたくさんつけた新製品を出せば良いや!」と、こういう感覚で商品をバンバン売りに出していたということです。
Kくんは、そんな無駄な機能ばかりの自社製品を、心の底から「良い」と思えなかったそうです…
尊敬できる上司が周りに1人もいないことに気づき、入社5年目にして退職を決意
以上、ここまで見てきた通り、Kくんの勤める大手家電JTCは、
①社内の評価ばかりを気にする社員たち
②創業者の言葉に縛られ、古き悪き因習を踏襲する社内文化
③お客さんのニーズを一切汲み取らない営業体制
こうした呪縛に囚われていたわけです。
上司からは、「お客さんの方を向きなさい!」と言っておきながら、会社自体がお客さんの方を全く向いていないのです。
会議が多い割に、何も決められない。自社商品にしても、お客のニーズなんて考えず、自分達の作りたいものだけを作って自己満足する….
そして、入社5年目になり、改めて自分のキャリアを見つめ直した時に「目の前の上司のようになりたくない」と、Kくんは確信したのです。
また、「自分が何者にもなれない」という不安感も襲いかかってきました。
このまま大企業で毎日同じような仕事をしても、会社は成長しないし、給料の伸びも限られています。
結局、サラリーマンとして、誰でもできる仕事を毎日こなし、上長のご機嫌を伺って仕事をするだけなら、自分がやらなくても良くない?と思ってしまったんです。
その瞬間、この会社にいる意味は、なくなりましたよね。
自分の看板を確立すべく、Web業界へ転職
最終的に、Kくんは自分の看板を確立し、自分の力で稼いで生きていくため、Web業界へ転職しました。
自分の看板を確立して、1人のプロとして生きていきたいと思うようになりました。
その中で、学生時代の先輩に誘われたのがきっかけで、未経験ですがWeb業界に転職しました。
Kくんは、お客さんのニーズを全く無視した製品ばかりを販売することに、違和感を覚えていたようでした。
その過程で、「マーケティング」に興味を持つようになり、Webマーケティングを実践的に学ぶことができるWeb業界への転職を決定したということでした。
現在は、いつどこで何をするのも自由な、完全悠々自適なライフスタイルを送っているということです。
Kくんは大手家電JTCを辞めて後悔しているということは一切なく、むしろ
「本当に、辞めて良かった」
とまで言っていました。
人生は一度きりなんですから、周りの目を気にして無理にJTCで働く必要なんてないんです。
「日本を代表する大手家電メーカーだから安泰」「せっかく大手企業に入ったのだから、辞めるのは勿体無い」などなど、こんな常識に惑わされてはいけません。
いくら大手企業に勤めていようとも、職場環境がクソだったらその時点で仕事選びは失敗しているのです。
経営の神様であるピーター・ドラッカーは、人のキャリアについて、以下のように言っています。
もしも自分が今の会社に入社していなかったとしたら、あなたは今の会社に就職したいか?答えがNoなら、今の会社にしがみつく必要はない
この質問を自分に問いかけてみましょう。
要は、「自分が今から就活を始めるとして、今の会社に入社したいか?」ということです。
大半の方は、「ノー」と答えるのではないでしょうか?
つまり、この問いにイエスと答えられない限り、あなたは今の勤め先に満足していないということになります。
今の会社に入社するためにどれだけ頑張ったかとか、今の会社でどれだけ頑張って働いてきたかとか、そんなものは何の判断材料にもならないのです。
なぜなら、それはあくまで過去の話だからです。
まっさらな状態で、「今の会社に入社したいかどうか?」
これだけを考えてみましょう。
答えがノーなら、今の会社にいる理由はないんです。
近年の日本企業において、理不尽な上司の元で働き続けても仕事の成果が上がるわけがありませんし、給料が上がるわけでもありません。
「上司がクソで…」だの「職場が古臭くて…」だの、そんな悩みに時間を奪われている暇があったら、もっと自分を生かせる環境にさっさと身を置けば良いだけの話なのです。
事実、KくんもWebの世界に転職してからは、今ではいつどこで何をするのも自分で決定できる、自由なライフスタイルを送っております。こうなれたのも、自分の能力を活かせる環境に身を置いたからですよね。
ちなみに僕自身も、クソ職場から逃げに逃げ、3回の転職を繰り返した結果、最終的にWeb業界に転職し、文字通り人生が変わりました。
Web業界は合理性を重んじる業界ですので、理不尽に頭ごなしに怒鳴りつけてくる昭和脳の上司なんて存在しませんし、体育館研修なんてのも存在しません。(当たり前w)
参考までに、Web業界の良いところを以下のようにツイートさせていただきました。
Web業界はまさに新時代の働き方
・完全在宅OK
・いつ起きるもいつ仕事するも自由
・学歴不問
・就職・転職に履歴書がいらない
・給料もそこそこ
・論理的な人が多いのでコミュニケーションがスムーズ
・感情的に怒鳴られることがない
・DQNがいない最高すぎますね
— タコペッティ (@syakaisei) November 9, 2021
もう、最高ですよね…!
ということで、「理不尽な上司にうんざり!昭和脳の企業にうんざり!」という方は、僕のように転職を繰り返して、Web業界のような合理的で、社員をきちんと重んずる業界に転職するのが一番の解決策だと思うのですよ。
ポジショントークにはなってしまいますが、Web業界は若者にとって最高の環境だと思います。
僕は少なくとも、Web業界に転職してから人生が変わったと本気で思っています。
今はもう、いつどこで働いても自由の環境なので、目覚ましをかける必要もありませんし、会社からの電話にビクビクする必要もありません。
PC1台さえあれば、いつでもどこでも自由に働ける、最高の環境を手に入れることができたのです。
もちろん、自分に向いている業界に入社するのが一番ですので、別にWeb業界でなくとも構いません。
重要な点は、古臭い因習を強要する理不尽なクソ会社からはさっさと逃げて、もっと自分を生かせる環境にさっさと身を置くべきだということです。
今回のお話が、多くの方の参考になれば幸いです。
参考までに、未経験からWeb業界に転職する方法は以下記事に詳しく書いておりますので、興味のある方は是非ともご覧ください。
→未経験からWeb業界に転職する3つの方法(経験談も語ります。)
ではでは今日はこの辺で。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
ちなみに、
①ブログには書けないようなさらに濃い話
②就活や転職をする際に、必ず知っておくべきこと
③僕が長い年月をかけて編み出した「感情マーケティングを応用した必勝面接術レポート」
などは僕のメルマガにて公開しております。
メルマガ限定の情報なども流しますので、ご興味ある方は下記リンクより是非とも僕のメルマガにご登録していただければと思います。もちろん登録は無料です。
ではでは