売り手市場は嘘!有効求人倍率から見る新卒就活市場の真実

近年、新卒就活市場はずっと売り手市場が続いています。

しかし、果たして本当に売り手市場なのでしょうか?

マスコミはひたすら売り手市場だ!売り手市場だ!
と騒いでいますが、本当にしっかりとした数値に基づいているのでしょうか?

 

テレビや雑誌などのマスコミは印象操作が得意です。

一つの数字を元に「世の中はこうである!」と決めつけることが往々にしてあります。

 

特に新卒就活市場においては、マスコミは今年のバブル期並みの有効求人倍率を例に持ち出して世の中は売り手市場であると主張しています。

しかし、有効求人倍率といってもいろいろありますので、一つの数値だけで市場すべてが売り手市場だと決めつけるのは早計です。

ということで本日は、リクルートワークス研究所が発表している大卒求人倍率調査を参照にしながら「新卒市場は売り手市場だ」というマスコミの主張のウソを暴いてみたいと思います。

 

就活生の皆さん!マスコミに惑わされてはいけませんよ!

 

そもそも有効求人倍率とは?

まず、そもそも有効求人倍率とはなんでしょうか。難しく言うと有効求人倍率とは有効求職者数に対する有効求人数の割合でありますが、まあ簡単に言えば1人あたり何社の求人があるかということです。

 

例えば、1.6という有効求人倍率は1人につき1.6社の求人があるという意味ですね。

 

そして数値としては1.6が売り手市場の目安であるといわれているのですが、新卒市場で見てみればなんと4年連続で有効求人倍率1.6以上を達成!この数字だけ見ればマスコミの主張は正しいわけですね。

ちなみに18卒の有効求人倍率は1.78ですので、最近では一番高い数値になります。

 

では、有効求人倍率についてわかったところで、マスコミが売り手市場と騒ぎ立てることの何が間違っているのかを見てみることにしましょう。

 

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市場全体の有効求人倍率は見てはいけない

では、マスコミの主張の何がまずいかというと、

マスコミは市場全体の有効求人倍率の数値だけを見て「売り手市場だ!」と主張するばかりで、業界別、規模別の有効求人倍率には一切触れていないんです。

例えばあなたに志望する業界があったとしたら、その業界の有効求人倍率を見るのが正しい見方です。

言葉で説明するのは難しいので、具体的に業種別の有効求人倍率を見てみましょう。

 

18卒の業種別有効求人倍率

リクルートワークス研究所の資料の冒頭に例が挙げられているのは流通業と建設業なので、まずはこの2つの有効求人倍率を見てみましょう。

 

流通業11.32
建設業9.41

 

めちゃめちゃ高いですよね。
流通業なんか、1人につき11社の求人があるわけです。

これはもう、超売り手といって間違いないでしょう。

 

とはいえ、これらは不人気業界です。
不人気業界に人が集まらないのは当然のことなので、これは参考までにとどめておいたほうがいいです。

 

重要なのは、あなたの志望する業界の有効求人倍率です。

 

例えば金融業界に限ってみれば、18卒の金融業界の有効求人倍率は0.19倍です。超買い手市場じゃないですか。5人が金融業界を志望していたら1人しか金融業界に入れないんですよ?

 

金融志望の人が市場全体の有効求人倍率を見て、売り手市場だやった!今年は入社しやすいぞ!と思うのは正しいでしょうか?正しくありませんよね?

有効求人倍率は業界によってかなりばらつきがあるので、全体を見てもあまり意味がないんですよ。

では、次に従業員数別の有効求人倍率を見てみましょう

 

18卒の従業員規模別有効求人倍率

300人未満=6.45
300~999人=1.45
1000~4999人=1.02
5000人以上 =0.39

これはめちゃくちゃわかりやすい数値だと思います。

 

従業員数300人未満の中小企業の有効求人倍率に限ってみれば有効求人倍率は6.45と超売り手です。しかし、従業員5000人以上の大手企業に限ってみれば0.39と、非常に低いわけです。

 

特に18卒は中小と大企業の間の格差が顕著でして、リクルートワークス研究所も以下のようなことを言っております。

 

2018年3月卒の従業員規模別の求人倍率を見ると、従業員規模300人未満企業では6.45倍と、前年より2.29ポイントも上昇し、過去の比較可能なデータでは2010年3月卒(8.43倍)に次ぐ高さである。従業員規模300人未満企業と5000人以上企業の求人倍率差は6.06ポイントと、前年(倍率差は3.57ポイント)に続きさらに拡大し、2010年3月卒(倍率差は8.05ポイント)に次ぐ状況である。

 

いかがでしょうか?

 

売り手市場と言っていますが、その裏では大企業と中小企業に確固たる格差が広がっているのです。

 

中小企業では人材確保に苦戦し、大企業では例年以上に多くの就活生が押し寄せるという非常に歪な構造が近年の新卒就活市場なわけです。

 

近年の有効求人倍率の高さは、従業員数300人未満の中小企業の数値が全体を押し上げているだけ

以上を見てきたところで本題に入りましょう。

就活生が行きたがる企業って、主に大手企業、もしくはそれに準ずる大企業だと思うんです。

しかし、日本企業の99%は中小企業です。中小企業の有効求人倍率は17卒で4.16、18卒で6.45と高騰しております。

 

その一方で従業員数5000人以上の大手企業ではどうでしょうか?
17卒は0.59、18卒は0.39と低下しております。

 

すなわち、中小企業の有効求人倍率が新卒市場全体の有効求人倍率を押し上げているだけ、というのが売り手市場の実態なのです。

 

大企業志向の就活生にとっては現在はむしろ買い手市場だ!

大企業に行きたがる就活生の嗜好に限ってみれば、中小企業の有効求人倍率が高く大企業の有効求人倍率が低い現在の新卒市場は全く売り手市場ではありません。むしろ大企業には年々入りにくくなっているので大企業志望の就活生にとってみればより厳しい就職状況に追い込まれているのが近年の新卒市場なのです。

僕は16卒ですが、16卒市場の有効求人倍率は従業員5000人以上の会社で0.7でした。それが今や0.39ですからねえ…新卒市場全体が売り手市場になればなるほど、大企業にはより入りにくくなるのですよ。

 

新卒市場全体としてみれば有効求人倍率は上がって売り手市場かもしれませんが、大企業に限ってみれば年々有効求人倍率は下がって現在は絶好の買い手市場となっているのです。

 

まとめ

以上見てきたように、市場全体では確かに売り手市場といえど業界別に見てみれば売り手市場と買い手市場の業界ははっきり分かれています。特に金融業界に限ってみれば入社するのが難関なのは今も昔も変わりません。

また、会社の規模別の有効求人倍率を見てみれば中小企業には年々ますます入りやすくなっているにも関わらず、大企業には年々ますます入りにくくなっているのがデータとして明らかです。

 

しっかりデータを見て就活をしなければ簡単に騙されてしまうというのがわかりますよね?

 

ちなみにマスコミは以上のようなことは一切語らないですし、親もそんなことを知っている人は少ないでしょう。

みんなマスコミの言うことを鵜呑みにして、新卒市場は売り手市場だ!と思っているので、親や先生も

 

「売り手市場だから大企業くらい入れるだろ!」

 

とプレッシャーをかけてくるのです。

 

しかし、しっかりデータを見ればそれは間違いだとわかるはずです。

世の中全体が売り手市場になるにつれ、大企業を受験する人数は増加し、より大企業に入社するのは難しくなってきているのです。

 

マスコミの印象操作に惑わされず、しっかりデータを見て行動できる人間になりましょうね。

 

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