玩具・おもちゃ業界って華やかで楽しそうですよね。
バンダイ、タカラトミー、コナミ、エポック….どの会社も子供のころに遊び親しんでいたおもちゃの会社ばかり。
こんな会社で働けたら夢が膨らみますよね。
なんせ自分自信で子供心をくすぐるおもちゃを企画、開発することができるんですから!
自分が企画した商品が店頭に並び、子供がそのおもちゃで楽しく遊んでいる様子は想像するだけでわくわくしてきますよね。
クリエイティブな仕事ですし、自分が親になったときも自分の仕事に誇りを持てるに違いありません。
そんなイメージもあってか、玩具・おもちゃ業界は就活生の間でも人気の業界です。
みんなおもちゃやゲームを企画したくて玩具業界を志望してきます。
しかし、ちょっと待ってください!?
業界の良い情報ばかりが独り歩きして、実際におもちゃ会社で働いている現場社員の声を就活生はあまり拾えてないんじゃないですか??
いくら子供を喜ばせる仕事といえど、仕事は仕事です。
辛いことだってありますし、近年は少子化の影響で玩具の売上事態も減少傾向にあります。
玩具業界が直面する問題点、実際の仕事内容も、就活生は把握しておくべきだと思うのです。
ということで本日は、某大手おもちゃメーカーにて約5年間勤務しているMさんにお話を伺い、玩具業界の実態と仕事内容について語ってもらいました!
希望に夢を膨らますのも良いですが、現場社員の生の声というのも重要ですよ!就活生の皆さん!
以下、玩具業界の現実と仕事内容についてです。
目次
おもちゃ会社の仕事とやりがい
まずはおもちゃ会社の仕事とやりがいについて説明します。
当たり前ですがおもちゃ会社はBtoCメーカーですので商品を作って消費者に販売することが会社の仕事になります。
企画会社や海外生産工場などの下請け会社が絡んでくる場合もありますが、基本的には一般の消費財メーカーと仕組みや職種は変わりませんので詳しい仕事内容の説明は割愛いたします。
まあ皆さんご想像の通り営業、企画、開発、生産、そこらへんの部署が存在するわけですね。
メーカーの仕組みなんかは就活生諸君が各々勉強してもらうとして、実際にMさんはどのようなおもちゃ会社員人生を送ってきたのでしょうか?見ていきたいと思います。
入社してからどんな仕事を担当されたのですか?
入社~3年目:国内の法人営業を担当。
玩具のチェーン店担当として全国の各店舗を回ったり、本部との商談をしたりしました。3年目~5年目:ガチャガチャ商品の企画を担当。
企画書を書き、生産が決まれば工場に発注し、コントロールする仕事でした。5年目~現在:仕入・物流を担当しています。
工場への発注と日本への物流を担当する部署です。自社工場や下請けに商品を発注し、国内の工場に入れるまでの諸事を行います。
一般的なメーカーと変わりはないようですね。
営業で数年経験を積んで、お客さんがどういった人なのか、現場では何が求められているのか、を把握してから企画・マーケティング職に移るのが日系メーカーのジョブローテーションの王道です。
お客さんのことわかってないと企画もマーケティングもできませんからね。最初の3年間は営業を担当して現場を把握し、その後に商品の企画をするというジョブローテーションの仕組みは非常に理にかなっており、日系メーカーでしか経験できないことであります。
これが外資だと最初から企画職に就ける!ということがありうるんですが、現場を知らないと商品を企画するのって非常に難しいですからね….
そう考えるとMさんはまさにメーカーの王道の会社員人生を歩んできたということになります。
仕事のやりがいはどんなところで感じますか?
やりがいについては、普通だと思います。
現在の仕事は完全にデスクワーク・事務作業で、自分が玩具メーカーに勤務していることはあまり意識しません。
事案が問題なく進んだり、効率的に作業を終えられたり、上司や同僚に褒められたりに喜ぶ、いたって普通の職場です。初年度の営業部は自分に全く合わず、身体を壊しました。ブラックとまでは思いません。向き不向きです。
最も「楽しい」と思ったのはガチャガチャの商品企画です。
自分が面白い、欲しい、作りたいと思うものが具現化され、商品化されるので楽しいに決まっていますね。
ただその分苦しいことも多いです。
自分が面白いと思ったことを、オフィシャルの場で「つまらない」と否定されるのは本当に辛い。
また、業務時間外でもネタを探すクセがつくので、仕事とプライベートの境目がなくなります。買物に行っても、テレビを見ててもです。余程のことが無ければ、どの部署もプラマイゼロ、良し悪しだと思います。
どんな業務であれ最終的には(めちゃくちゃクサいですけど)子供たちの笑顔に繋がりますので、
やりがいの搾取に負けないように自衛すれば、悪くない業界だと思います。
自分の仕事に誇りをもっていらっしゃって素晴らしいですね。
たしかにおもちゃ会社で働くということはどんな仕事であれそれは子供たちの笑顔に繋がります。
未来ある子どものために働いていると思えば、辛いことも吹き飛んでしまうのかもしれませんね。
玩具業界とゲーム業界ってどう違うんですか?
就活生が混同しやすい玩具業界とゲーム業界の違いについて聞いてみました。
玩具業界とゲーム業界ともに最終的な販売先は似ています。家電量販店や玩具店ですね。
社員の雰囲気や、企画の出し方も近い気がします。
大きく違うのは在庫についての考え方でしょう。ゲーム機はともかく、ゲームソフトは即時の大量コピーやダウンロード販売が可能です。
玩具はそうもいかないので、何ヶ月も前から売れ方を予測し、工場をコントロールし、余り過ぎない程度に在庫を維持しなければなりません。
大ヒットし、ビルを一棟建てたと言われる「たまごっち」ですが、在庫過多でとんでもないことになったという噂もあります。
この噂の真意は不明ですが、今もまことしやかに語られている以上、一定の真実・教訓が含まれているはずです。
バンダイのたまごっちが大量に売れ残ったというのは有名な話ですからねえ…
こういう事例を見ると在庫を維持しなければならない玩具業界って難しいですね。ゲーム業界はいわば売れ行きを見てから生産を調整できるわけですから。
スマホゲームで遊ぶのが主流になっていますけど、玩具業界は何か対策を打っているのですか?
最近の流行りはなんといってもスマホゲーム!
玩具業界はいつまでもアナログなイメージがあるためその流れについていけているか気になるところなのですが、そのあたりはどうなのでしょうか?
スマホ、またはスマホゲームで遊ぶ世代と玩具で遊ぶ世代にはまだ開きがあるので、客を奪われるとは思ってないはず。その意味では、対策は殆どしていないようです。
玩具モチーフのアプリや、アプリで操作するラジコンなど、玩具と融合させる動きはそこそこ成功しています。
本物のスマホを持てない子供達用のスマホもどきも各社出しており、これもそこそこの成功です。
これとは別に、Youtubeでの広告は各社頑張っています。玩具のターゲット世代は、スマホは持てないがYoutubeは見れる、というのが業界の現状認識と思われます。
スマホで遊べない児童たち用のおもちゃはともかくとして、それ以外の世代に対しては意外と玩具業界もスマホの流れに乗っていっているようです。
アプリで操作するラジコンとか面白そうですね。
子供達用のスマホもどきというのも気になるところです。
激務ですか?残業、休日出勤、どのくらいですか?
基本的に、激務ではありません。ただし自分で激務にすることは可能です。
営業部で夜まで外回りをしたり、企画部で遅くまで企画書を書いたり、自発的に仕事を増やしている「熱心な」社員は多い気がします。
ただし社内評価の基準は、熱心さではなく実力や数字です。
自分の経験上、残業を命じられたことは殆どありません。あっても繁忙期の数日間であり、年がら年中ではありません。
原則、休日はカレンダー通りにとれます。ただしクリスマス近くやおもちゃショーの時期は、土日のイベントに駆り出される場合もあります。
当然代休をとらされます。
なんだかんだで大手メーカーなので労働環境についてはホワイトなようです。
クリスマスや土日って普通の会社員は休みですけど、おもちゃ業界は子供相手の商売ですから親の休みに合わせて出勤しなければならないところが少し辛いところなのかもしれませんね。
それにしてもおもちゃショーの仕事って傍から見ると結構楽しそうですが….
飲み会どんな感じですか?
送別会、忘新年会など部署単位の飲み会はあります。上司に個人的に誘われることは経験上ありません。
アルハラやパワハラも聞きません。「◯◯ちゃんにお酌される酒は美味しいな~」程度のセクハラは散見されます。
やはりメーカーの飲み会は普通みたいですね。
広告代理店や銀行の飲み会が異常すぎるのでしょう
おもちゃ業界の動向と今後の展望はどうなると思いますか?
この質問は僕が最も聞きたかったことです。
少子化が進み子供の数が減る今、おもちゃ業界の展望はどうなのでしょうか?どのような対策をしているのでしょうか?
毎年東京おもちゃショーに行き、ほぼ全てのブースを覗いていますが、年々変化がなくなっていくのを感じます。
端的に行って、もう新しいものは生まれない。イノベーションはスマホやテレビゲームに吸収される。少子化は止まらない。
人間でいうと、定年後の老人という感じでしょうか。大きな変化や刺激を求めず、細々と日々の生活を充実させていくような段階です。
少子化が進む以上、国内市場の縮小は止まりません。高齢者向けの玩具にもあまり期待できません。
国外に進出するか、国内での細かいニーズに対応していくか、どちらかに進むしかない。
昔の広告代理店的な発想で、「男の子はコレ、女の子はコレ、金積んで広告すれば売れるっしょ」的な売り方はもう時代遅れ。
具体例を挙げれば、LGBTの子供にアピールできるような、配慮の細かい会社は生き残るでしょう。
細かいニーズに対応する分、高価格化=高級化も進むはずです。
なるほどなるほど。
大量生産・大量消費の時代が終わったというのは周知の事実ですが、やはり他の業界と同じように商品1つ1つのブランド化が進んでくるのでしょね。
モノが売れない時代、各メーカーは自社商品のブランディングをして高級品質の商品を売っていくのが今後の主流になってくると思います。
文房具メーカーなんかも、高級万年筆を売り出したりして文房具のブランド化を図っていますからね。どの業界も生き残りに必死というわけでしょう。
就活のときの志望動機や選考対策はどうされていましたか?
就活のときはとにかく正直にやってました。テレビや出版など興味のある業界しか受けませんでしたし、面接対策も全くしていません。
ウソをついて選考を進んでもいずれバレるし、最終面接でバレたら最大の無駄。万が一入社できてもウソをつき続けるので体を壊します。
私服OKの選考にはガンガン私服で行き、「そこでスーツ着てくるのが社会人じゃないの~」みたいなクソ人事に嫌われにいきましょう。
そして、玩具業界に入社してくる皆さんは、大儲けは諦めてください。
ホワイト企業の一員として粛々と顧客満足に貢献し、ワークライフバランスを楽しんでください。
玩具業界に就職するためには?
さて、最後に玩具業界に就職するための方法ですが、ひとまず業界研究をすることは必要不可欠でしょう。
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これ、僕が就活していた2016年は3000円での会員登録が必要だったのですが、なんと今や無料登録で全ての記事を閲覧できるようです。
いやー、僕が就活生の時に無料登録サービスをやってほしかったなあ….
ともかく、過去は有料であったことからもわかりますが、とにかく他のどのサイトよりも内定者ES、選考対策、業界研究情報が充実しているのがUnistyleです。
僕も就活生の時はもちろん使っていましたし、正直使わなきゃ損くらいのサービスですので、就活生は必ず登録しておくことをオススメいたします。
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まとめ
以上、おもちゃ業界について語ってきましたが、いかがだったでしょうか?
とりあえずは、おもちゃ業界は少子化の影響で衰退産業であるということは間違いないですね。
ただしかし、少子化であるからこそ商品の高級化を測るためには一層アイデアと企画力が必要になってきそうです。
アイデアと企画力に自信があるという就活生のみなさんは是非受験してみてください!
説明会も面白いですからw
なお、就活生が絶対に登録すべき最新のオススメ就活サービス一覧という記事も書いておりますので、こちらも合わせて是非ご覧ください。
ではでは
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
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②就活や転職をする際に、必ず知っておくべきこと
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