大手海運会社の現役機関士が教える海上職の仕事内容と実態

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日本郵船・商船三井・ケーライン…

これら三大大手海運会社は30代で年収1000万円はゆうに超え、社員の学歴も旧帝早慶出身がほとんどと、まさしく社会の上澄み層であるトップエリートのための会社であると言えます。

特に、いわゆる船乗りである海上職は、乗船期間は給料が2倍、しかも日本帰国後は約3ヶ月以上ものまとまった休みをもらうことができ、その間は給料も出るという天国のような職種であります。

就活の時はゼミの友人が「大手海運会社の海上職はいいぞ!」と言っていて、そうなんだーとか思っていましたが、社会人になって思うと本当にあり得ないくらい待遇が良く恵まれているのが海運会社の海上職になります。

 

とはいえ、仕事は仕事、やりがいもさることながら、辛いことも多いことでしょう。

 

ってことで、本日はあまり世の中に知られていない大手海運会社の海上職の実態を記事にしようと思います。

僕の身の回りに大手海運会社の海上職に就職したやつが1人おりますので、彼からお話を聞いております。僕と同級生なので社会人2年目と言ったところですね。

では、見ていきましょう

 

なぜ海上職を目指したのか。

初めまして。某大手海運会社の海上職にて機関士として働いております。

海上職に就職した第一の理由として、休みが長くて給与が良いということが挙げられます。

もともと乗り物と旅行が好きだったのでそういった職業に就きたかったというのもありますが、社会的ステータスが高く、給料が高く、長期休みが貰えるという条件を満たす職業が海上職でした。

大手海運会社の海上職の選考の実態

大手海運会社の筆記試験とESについて

私が受けた感じだと、筆記とESの敷居がかなり高いと感じました。

入社後に人事の1番偉い人が言っていたのは、ESで目一杯書いていない人はビシバシ落とす。

ということらしいです。面接では高学歴の人ばかりだったので恐らく学歴フィルターもあると思いますが、ESを目一杯書いているかどうかなども厳しくチェックされていると思います。

 

ちなみに、「連絡なしで説明会に遅刻する人は落とす」と言っていました。

他には筆記試験ではクレペリンテストをやりました。ストレス耐性をチェックするみたいですね。飛行機のパイロットの自社養成でもやるみたいです。

 

大手海運会社の面接について

私は海上職を受けていたので、「船でやっていけるか。」というのをしつこく聞かれました。

例えば、

 

「何ヶ月も家を離れ、家族や友人と離れて大丈夫か?」

「結婚をして子供ができたとして、何ヶ月も家庭から離れて大丈夫か?」

 

などはしつこく聞かれます。そして、これらの質問にちょっとでも躊躇を見せると落とされます。

 

そして、面接の選考スピードは超絶早いです。私の場合は1次から最終まで実質2日で決まりました。

他の内定者と話しても、1週間以上は絶対にかかっていない様子でした。

また、どの内定者も大手海運会社は併願しているようで、「郵船の面接で見たあいつがいた!」ということはよくあるので、面接の時点でだいぶ絞っていると思われます。

 

ちなみに面接で聞かれた印象に残っている質問としては、

 

「あなたが小人になりました。車のボンネットの中に閉じ込められました。さてどうやって抜け出しますか?」

 

という質問ですね。これってすごく機関士っぽい質問だなって思っていて、音は機関士においてものすごく重要な要素になります。

ちなみに私はこの質問に対しては、

 

「異音を出して外の人に助けを求めます。」

 

と言ったら、面接官から「おおー!」と言われたので、恐らく求められていた回答であったと思います。

実際、機関士は機械の音を気にするので、この質問は入社してからの職務適性を見ているのだなあと思いました。

 

入社後の研修

入社後の流れとしては、海上職であれば「学校で座学半年、練習船で実技半年、社船で実務半年」という流れになります。

そこで1年の航海履歴がついて、海技士になることができます。

海技士になるには筆記試験を通過するのももちろんですが、乗船履歴が1年なければなりません。普通の人は乗船履歴がつけられないのですが、海上職の社員であれば普通にしていれば1年の乗船履歴がつくのでそのまま合格することができます。

海技士になる前は「訓練生」という扱いで研修を受けるのですが、以下そのお話をしようと思います。

 

訓練生の期間の待遇

訓練生の間は海上職で基本給は20万円くらいです。

会社によっては訓練生の期間であっても練習船等に乗船している間は乗船手当が付くため,その期間は給料が2倍となるようです。

基本給自体は日本郵船が1番で商船三井が2番目という感じですが,この辺りの話はOB訪問などを通じて調べてみてください。

ちなみに、MARCH以上の高学歴の学生でしたらビズリーチ・キャンパスなどのOB訪問サイトを通じてOB訪問を行うのがオススメです。便利なサイトですので、まだ登録されていない方がいれば是非登録してみてください。

 

訓練校での研修

さて、入社してまず海上職の新入社員が受講しなければならないのが、訓練校での研修です。

訓練校時代は商船系の高等専門学校や大学の人とも一緒に授業を受講します。

訓練校の中でも大手3社の社員はというと、早慶など名前の聞いたことのある学歴の人ばかりです。名前の聞いたことない大学の人はほとんどいませんので、学歴フィルターはきっとあることでしょう。

 

訓練校の授業内容自体は私は機関士ですのでエンジンとか発電機とかの勉強をします。ボイラーの授業など細かく分かれており、それぞれの勉強をします。

直接仕事に関係のない法律や数学の授業もありまして、早慶文系出身で数学をやっていない人たちは数学に苦労していた印象でした。ただし、みんな頭はいいのでなんとかなるんですね。この辺りは学歴フィルターが機能しているのだと思います。

 

ちなみに私たち大手3社の新入社員は給料をもらいながら学校に通うのですが、高等専門学校などの自社養成の人はお金を払って受講しております。この辺りは大手のありがたみを感じましたね。

 

こうした座学は半年ほどやりまして、その後は練習船に乗って実技を行うことになります。そして海技士の試験に合格すれば訓練生としてではなく正式に船に乗れるわけですね。

 

練習船での研修

訓練校での座学研修が終わったらいよいよ練習船に乗って実技研修が始まります。

1日の流れはというと、まず朝6時に起きて整列をします。

船乗りとしてのチームワーク力を磨くわけですね、自衛隊みたいな感じです。

あとは実技を行ったり、船の中の講堂で授業を受けたり、自社養成プログラムを受講する流れになります。

ちなみに大手3社のように自社養成ではない人は、軍隊的な規律主義に向いていないと思ったら別の道に行ったりします。

自衛隊ほど厳しくはないですが、まれにそれが嫌で脱走する人がいますね。船から泳いで脱走した人もいましたw

何より練習船は酒も飲めないし、集団生活がきついんですよね。社船になってようやく自由になれるので、それまでの辛抱かなと思います。

 

1つの船に150人くらいが乗っているのですが、私は大手3社の1人としてドヤ顔で乗っております。

他の高等専門学校の学生は金を払いながら乗ってるのに、大手3社の社員はお金をもらいながら乗ってるわけです。本当に大手って恵まれていますよね。

 

こうして訓練時代に乗船履歴を1年つけて、筆記試験と面接に通ったら海技士の資格を取れるわけです。

ちなみに海技士の面接では

「訓練時代に乗っていた船のスペックを教えてください」などの質問などがほとんどで簡単です。

自社養成の社員で落ちた話は聞いたことないですね。大体2年で海技士の資格を取ることができます。

 

船内の職位について

マニアックですが、船内の職位についてお話ししますね。

詳しくはこちらのサイトが詳しいのでご参照にしていただければと思いますが、簡単に説明したいと思います。

まずはキャプテン(マスター)がおりまして、会社の部署のくくりとしては甲板部、機関部、司厨部の3つに分かれています。

甲板部は船を運転する人。機関部は機関士の私のように機械をメンテナンスする人。司厨部は料理を作る人になります。甲板部には航海士が1〜3等級おりまして、機関部にも1〜3等級の機関士がおります。

甲板部の中の職員は日本人で、部員はフィリピン人です。

 

小ネタを話しますと、日本人は給与が高いので職員だけ残してあとはリストラして、現在は部員が全員フィリピン人になっているわけですねw

 

甲板

甲板部には航海士が所属しておりまして、船を操っている人のことを航海士と言います。

「面舵いっぱーい」とやっているイメージの人ですね。

1級、2級、3級の人がおりまして、当直制で回しながら操船します。

 

機関士

機関士が私の仕事になります。

機関士とは簡単に言うと、中のエンジンや発電機などをメンテナンスする人になります。

船というのは基本は壊れながら走っています。トラブルはよく起きるので、直しながら走るわけです。自動車などは直してから走るんですけどね。そこは自動車と船で大きく違うところですね。

 

機関士も1等から3等まで分かれておりまして、3等機関士の人が何をするかと言ったら、造水機の運転管理をします。海水から真水を作るわけですね。

主機(メインエンジン)の熱で海水を蒸発させて真水を作るのですが、薬品の量を変えて温度調節をしたりするのです。

ボイラーは燃料を温めるのに使います。船の燃料は重油ですが、重油は常温ではドロドロです。熱すればサラサラになるのでそれを熱するためにボイラーを使うわけです。

ちなみにうまく温度調節をしないとアラームがなって、1等機関士に怒られますw

 

 

ちなみに機関士の1日の流れとしては、朝起きて、機械の調子を見て、朝会に参加します。そして夕方に寝ます。ただ、もちろん夜の間もずっと機械を見ていなければならないので夜も当番制で見回ります。

 

社船に乗っている間の待遇は恵まれている

船に乗っている間は金を使うところが全くありません。

飯も出るし、乗船中は実家が住所になるので家賃も払いません。飯代も酒代もかかりません。

船乗りの食事は何円以上かけないといけない。と法律で決められているので、そこそこいい食事を食えるんですよね。

この前乗った船は、毎週日曜日はちょっとしたコース料理でした。

そして、船に乗っている間は一切金を使わずに生活ができるのに給料は基本給の2倍貰っているので、めちゃくちゃ金が溜まります。

 

ちなみに船には本やDVDなどを購入する資金があり、私は乗船中の暇な時間は64とウィーをやりまくっていました。もともと船に置いてあったんですよねw

唯一お金を使う場所といえば、寄港した時に港でお金を使う人が多いですかねー。上陸後はとりあえず船に見張りをつけて若手が遊びに行きますw

お年を召されている方はだいたい船の中で見張りをして、若手が遊びに行くのがセオリーですね。

若手は港で飯を食ったり、酒を飲んだり、風俗に行ったりします。

 

船乗りの飲み会

大洋航海中はぶっちゃけ暇なので飲み会の準備があります。その準備は三等航海士・三等機関士がやるのですが、まあ普通の会社の飲み会です。

ただし、部員であるフィリピン人はクリスマスを大事にするので、クリスマスにはクリスマスパーティーをやります。去年はビンゴ大会をやりました。日本に寄港したときにドンキでいろいろ買って、ビンゴ大会とかやるわけですね。楽しかったですよw

 

他には船のデッキの上で豚を焼いたりしてパーティーをしますね。ずっと仕事をしているわけではなく、息抜きの時間はたくさんあります。

 

海上職ならではのお話

まとまっていませんが、船乗りならではの小ネタです。

 

船にも色々な種類がありまして、例えば自動車船はいろんなところに行くのでたくさんの国に行きたい人はオススメです。自動車船はアフリカとか中南米に行くからチャラい人が多いですねw

タンカーは渋い人が多いですねー。タンカーはエキスパート職なので、人が偏っていくらしいです。

そして船乗りに女性は少ないのですが、女性が乗れる船は限られています。生理休暇なども取れないし男社会なので船乗りに女性は向かないですね。そもそも物理的に重いものをもつ機会が多いので、女性にはきつい仕事だと思います。

 

また、乗船中には心を病む人も多いのですが、心を病んだりしたら緊急下船と言って陸に降りられるシステムがあります。

船乗りといってもただの会社員ですし、上下関係は恐らく普通の会社以上に厳しいので上の人のソリが合わなかったら鬱病にかかったりもします。

 

最後に、船乗りに向いている人はズバリ、根性があり、乗り物、機械が好きで、体力のある人です。

そうでなければやっていけないでしょう。

それでも毎日絶景を眺めることができますし、長期休暇を取れますし、何より給料がいいので上記に当てはまる人がいたら是非とも受験してみるといいと思います。ただし、飽きっぽい人、例えばすぐ大学をやめたり、すぐ会社を辞めたりするような人には向いていないと思いますねw

 

まとめ

以上!あまり表に出ることはない、船乗りの仕事内容について見てきました。

色々書いてきましたが、僕的にはやっぱり30代で年収1000万!長期休暇3ヶ月以上!ほとんど金を使わないで生活ができる!というところに惹かれましたねー。

とはいえ、半年間会社に篭り続けるというイメージを持ってしまうと、それはそれできつい気がしますね。鬱病になって船から降ろされる人の気持ちはわかる気がします。

特殊な仕事ですので、自己分析をしっかりして、本当に海上職が自分に向いているかどうかを吟味して入社を決める必要がありそうですね。

 

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