「転職とは、キャリアアップである」
こう言うと聞こえは良いですが、僕のように特になんのスキルを得ることもないまま1年未満で会社を退職しまっては、それはキャリアアップとは呼べません。
それは、短期離職と言った方が正しいでしょう。(言葉の使い方一つで印象が変わるわけですから、言葉って面白いですよね。)
僕は新卒で入社した大手企業を1年で退職した後、その後3回の転職を繰り返し、今に至ります。
湯婆婆「フン。キャリアアップというのかい?」
キャリアアップ「はい」
湯婆婆「贅沢な名だねぇ。
今からおまえの名前は短期離職だ。いいかい、短期離職だよ。分かったら返事をするんだ、短期離職!!」— タコペッティ (@syakaisei) September 13, 2019
その過程で得たものもたくさんありましたが、無論、失ったものもたくさんあります。
「お金ですか?」とか聞かれるんですが、ぶっちゃけお金は大したことではありません。お金なんてまた稼げばいいわけですし、なんならいくら短期離職をしていようがお金を稼ぐだけなら手段なんていくらでもあるのですから。
僕が転職をして失ったものはお金なんかではなく、社会的信用、日本型雇用の中で出世していくというキャリア、プライドの3点です。
この世の中には、「今すぐ辞めろ!」「今すぐ転職しろ!」的な記事は多いですが、転職をして失ったものについて書いている記事は少ないように思えるので、本日は僕が新卒で入社した大企業を1年で退職し、転職を繰り返して失ったものについて具体的に書いてみたいと思います。
社会的信用、日本型雇用の中で出世していくというキャリア、プライドの3点に基づき書いていきたいと思いますので、是非ともご参考ください。
社会的信用
1つ目はこちら。
新卒で入社した大手企業を1年未満で短期離職するということで、僕は社会的信用を失いました。
社会的信用って何??というと、例えば親戚・友人からの評判は地に堕ちましたよね。
「あいつは1年も企業勤めができない、負け組だ。」
と友人から陰で罵られ、
「あんな良い会社を辞めるなんて、お前んとこの息子はキチガイだ!」
と親戚から陰で罵倒されます。
慶應義塾大学という世間ではそれなりに有名な大学を卒業し、新卒で誰もが羨むホワイト優良大企業に入社しておきながら、その輝かしいキャリアとエリート街道を自ら放棄してしまう…
こんなの、身の回りの知人たちからの信用と信頼を失うに決まっていますよね笑
恋人がいらっしゃる方は、大企業を辞めるということで愛想をつかされて別れ話を持ちかけられてしまう可能性も少なくありません。
日系のホワイト優良大手メーカーを辞めるということは、親戚友人を含めた周りからの評判、信用、信頼を全て失ってしまうということを意味するのです。
また、身近なところでの信用だけでなく、本当の意味での社会的信用も失います。
例えば、クレジットカードを申し込むとか不動産屋で物件を探しに行くたびに、
「こんな大きな会社に勤めているんですか!凄いですねえ」
と言われていました。
僕はそのたびに優越感に浸っていたのですが、いざ大企業を辞めてみると、会社のネームバリューで店員の態度が変わったり、審査が緩くなったりすることはなくなりました。
会社のネームバリューっていうのはいろんなところで生きてくるのです。
東証一部上場企業に勤務しているってだけで何故か信用されて銀行から金を引っ張れたりしますからねw
大企業を辞めるとそういったネームバリュー、社会的信用も一気に落ちるということを理解しておくべきでしょう。
さらに僕のように短期離職を繰り返せば、転職活動において企業からの評価もガクッと下がります。
「こんなに良い会社を辞めて、短期離職を繰り返すって、この人はどうせウチの会社に入ってもまた辞めてしまうんじゃないか…?」
こんなことを思われてしまいます。すなわち、キャリアにおいて企業からの信用を失ってしまうのです。
ですので短期離職を繰り返すことによって僕がまず1つ目に失ったものとしては、大企業のネームバリュー、親戚や友人からの信用、企業からの信用です。
出世街道を駆け上がり、エリートサラリーマンになるというキャリア
2つ目。僕は日本型雇用の中でエリートサラリーマンになるというキャリアを失いました。
終身雇用、年功序列制度なんていずれは崩壊する!なんて叫ばれておりますが、日本型雇用、すなわち正社員としてのキャリアが美味しいというのは紛れもない事実です。
事実、僕はグローバルな大手メーカーの正社員として入社しましたが、その後のキャリアステップとしては海外勤務を経験し、うまくいけば部署内での出世ルートに乗れるはずでした。
それこそいろんな方がおっしゃるように、海外勤務というのは美味しいです。
何が美味しいかと言えば、海外勤務になると手当などで給料が倍増する上に、家賃等の生活費も会社から出たりするので、実質的な給料が倍近くになるんですよね。
某大手メーカーは海外勤務になると手当などで給料が実質倍になるらしいんだけど、地獄地方勤務の場合手当とか出るのかな
— かしだ まりか (@KashidaJasmine) March 31, 2017
そして、お金の面だけでなく海外勤務を経験しておけばその後のキャリアも明るいです。
仮に終身雇用制度が崩壊し、その企業で出世できなかったとしても、海外勤務で培ったスキルを元に外資系企業に転職し、年収を上げるという道もありました。
”「年収はとりあえず2倍ぐらいになりますかね」。大手メーカーに勤務する40代の男性社員は、欧米系企業に転職が内定した。勤務先はインドネシアだ。過去に海外勤務の経験があり、IT(情報技術)エンジニアとしての技量も高く評価された。”
私はこれを目指してます。https://t.co/oIFRnqsLgr
— たまにゃん🇹🇭ソフトウェアエンジニア (@tamanyan55) May 8, 2018
そのまま新卒で入社した大手メーカーに勤めていたならば、今頃は海外勤務を経験し、社内で出世し、エリートサラリーマンへの道を歩むことができたのかもしれないですが、僕はそのキャリアを失いました。エリートサラリーマンというキャリアを自らの意思で捨てました。
そしてぶっちゃけると、僕はもう現時点でもサラリーマンとしてのキャリアは捨てています。
高年収、出世、安定、名誉….
これらを僕は捨ててしまいました。
今はいつクビにされるかもわからず、完全実力主義、成果主義のWeb業界にて週4勤務で働いているわけですが、これは言い換えるならば、僕は日本型雇用に守られた正社員という運命共同体を脱出し、完全実力主義、成果主義、弱肉強食の世界へと飛び込むことになったわけです。
これは綱渡り的な人生を歩む羽目になるため、万人にはオススメできない選択肢であると思いますが、僕はサラリーマンとして出世していくという勝ち組ルートを自ら放棄し、転職を既に3回、低年収ジョブホッパーという負け組ルートを歩むことになったのです。
ということで以上、日本型雇用の中でエリートサラリーマンとして出世していくというキャリアを捨てましたというのが2点目です。
一流企業勤務の正社員であるというプライド、自信
最後3つ目。
これは大企業を辞めた人ならば誰もが感じることだと思うのですが、一流企業勤務の正社員というプライドを失いました。
「自分は大企業勤務だから偉い!」
「自分は人生の勝ち組だ!」
今思えばこんなプライドなんてあってもしょうがないなー…なんて思うのですが、学歴や肩書き、お金が大好きなかつての僕にとって、大企業勤務の正社員という肩書き、プライドは何にも代え難いものでした。
しかし、当たり前ですが大企業の正社員を辞めてしまえば、そんなプライドは無くなります。
「俺は○○会社の社員だからw」
「終身雇用制に守られて一生安泰!人生一丁あがり!」
「いずれは海外勤務を経験して、スーパーエリートサラリーマンに…!」
こんなプライド、安心感は一切なくなりましたよねw
そして同時に、大企業勤務の正社員なんだからなんでもできる!という自信も失いましたよね。
なんだかんだ大企業という後ろ盾があると仕事のみならず、趣味も恋愛も自信を持って全うすることができたので、一時的であれその自信を失ったというのはマイナスでした…
(合コンなんかは特に、大企業社員というだけで圧倒的な自信になりますからねw笑)
まあ、こんなのは今思えば馬鹿げたプライドでしたし、大企業に依存することで勝ち得た自信なんて自分にとってなんのプラスにもなりやしないので、こんなプライドや自信なんか失って良かったと思っているわけですがw
いずれにせよ3つ目、僕は一流企業勤務の正社員というプライドを失いました。
まとめ
以上!「1年未満で大手優良企業を退職し、3回の転職を経て失った3つのもの」について書いてみました。
そして僕は、その後3回の転職を経験したのち、今はWeb業界に転職して週4で勤務しているわけですが、今思えばこんなくだらないもの、失って良かったと思いました。
1つ目の社会的信用については、いくら大企業を辞めようと他で成功を収めることができれば親戚や友人の評判なんてガラリと変わりますし、会社のネームバリューなんてあったところで自尊心が満たされるだけで自分の実生活にプラスになるわけでもないわけですからぶっちゃけどうでも良いです。
2つ目のエリートサラリーマンとして出世していくという道については、ここ数年で日本型雇用を巡る環境は一気に変わりまして、今や終身雇用、年功序列が崩壊するなんてことはもはや周知の事実になりました。
強いていうなら海外勤務経験ができなくなったことについては後悔がありますが、今のご時世、その気になれば海外で働くことは会社に勤めなくても可能なわけですから、わざわざ日本型雇用の元で正社員という運命共同体の中で身を粉にして働く必要もないなとも思います。
3つ目のプライドについては、これは本当になくなって良かったと思いました。大企業勤務のプライドなんてこれからの個の時代、クソほどの役にも立ちませんから。
ってことで僕は大企業を辞めて転職を3回経験したわけですが、失ったものも多くありますが得たものも多かったと自負しています。
今はWeb業界で週4勤務で働き、自由な時間と自分の力で稼ぐという喜びを手に入れたわけですが、日本型雇用の元、会社のために忠誠を尽くして身を粉にして働くよりもよっぽど幸せだと感じています。
僕にとって重要なことは、出世でもお金でも社会的名誉でもなんでもなく、自由な時間と毎日美味しいご飯を食べること、そして家族だったわけです。
ですので週4日勤務でリモートワークも可能、出退勤の時間も自由な今の環境はまさに最高の環境です。今この時間こそがセミリタイヤしている時間なんじゃないかと思うくらいです。
ってことで、大企業を短期離職して転職しまくって、失ったものも大きかったですが、得たものも大きかったです。
皆さんも今この状況で「会社が辛い…」と感じるならば、少し価値観を変えてみて、ちょっと外の世界を見渡してみてはいかがでしょうか?
また、僕が未経験からWeb業界の週4勤務の仕事を勝ち取った方法と実体験談についてはこちらの記事(週4日勤務で正社員の仕事を勝ち取った方法と実体験談。20代なら未経験だろうがIT/Web業界に転職すべき!)に書いておりますので、ご興味ある方はこちらの記事を是非ともご覧ください。
ではでは、今日はこの辺で。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
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