「基礎研究の内容を面接官にどうやってわかりやすく伝えればいいんだろう….」
そんなことで悩んでいる理系大学院生もいることだろうと思います。
ということで本日は、理系大学院生が悩みがちな、「自分の研究内容をわかりやすく面接官に伝える方法」をお伝えしたいと思います。
そして、本記事は先日就活を終えたばかりのリアル理系大学院生に書いてもらいました!
彼は僕と同じで慶應大学の同期であり、大学院で有機化学を専攻しておりました。そして最近連絡を取ったところ、某大手化学メーカーから内定をもらったとのことでした。
彼はどのようにして自分の基礎研究内容をわかりやすく文系面接官に伝え、大手化学メーカーからの内定を手にしたのでしょうか?
以下、ノウハウがたっぷりと詰まっております。
構成としては、
・自己紹介
・研究概要の伝えかた(ES、面接)
・推薦について(学校推薦、教授推薦、奨学金推薦)
の順に書いてあります。
では、彼からの寄稿記事をどうぞ!
自己紹介。私の専攻について
私は某有名私立大学の大学院にて有機化学を専攻していた。
就活は修士一年冬から本格的に始めた。
さて、早速だが専攻について説明しよう。有機化学は大きく二種類の研究に分かれると個人的には考えている。生命系有機化学と材料系有機化学である(あくまで主観である。それ以外にもあるのかもしないし、もちろん重複する部分の研究もあることと思う)。
前者は薬に使うような化合物の合成や、タンパク質や毒物に関する研究が例に挙げられる。
一方で後者は、金属を使わない材料づくりの研究を行う。最近話題のものだと、有機ELディスプレイや液晶があるが、研究の多くはまだまだ実用化への壁が大きく、基礎研究分野のものが多い印象を受ける。
これらのうち、私が学んでいたのは材料系有機化学であり、発光材料の基礎研究を行っていた。
ちなみに基礎研究とは、実用化重視の研究ではなく、実用化できるかできないかもわからないような、未知の領域の研究を行っていくものであるという印象だ。
これに対をなすのが応用研究で、こちらは企業との共同研究も多く、実用性の高い研究が多い。つまり私は「有機化学」の領域で「応用できるかわからず、したがって他人には説明しにくい研究」を行っていたということだ。この観点は理系の就活には重要なポイントであるから、ぜひ覚えておいていただきたい。
では、理系採用のESや面接で研究概要をどのように伝えるべきか?という点についてお伝えする。
研究概要を面接官にわかりやすく伝えるために
理系のESや面接では必ずどこかのタイミングで研究概要の説明が必要となる。これはかなりの曲者だ。理系の研究を文系の面接官に伝えなければならない。
本記事では文系の面接官にいかに研究内容をわかりやすく伝えるか?という点について見ていく。まずはESについて見ていこう。
ES
ESにおける研究概要は字数によるが、抽象的な説明にとどめるべきだと考えている。
どういう背景で、このような目的で、こういう研究をおこなっている、といった感じだ。具体的な専門用語、例えば化合物や物質の固有名詞、科学用語は極力避けるべきだ。もちろん必要なら使うのは構わない。重要なのは最低限の使用に抑える、ということだ。
この基本的な骨格をもとに字数が余ったら少しずつ具体的なワードを足していくとよい。200字だと具体的なことを書く余裕はないし、600字だと逆に具体的に説明するべきである。
また、研究概要がESと別の場合、多くの就活生が学会などなにかしらの発表で使った要旨を転用すると思うが、緒言には気を付けなければならない。
学会用は専門家に向けたものだが、就活用は素人向けである。緒言ではなるべく一般人にもわかるような説明で書くことが重要で、研究概要全体を読むことで自分がもっているスキルを伝えられるようにする。
例えば私なら分子設計、有機合成、計算化学、分析化学ができたから、それぞれについての結果と考察の項を作った。
そして出来た草案は教授か先輩に添削してもらうと良い。研究概要は会社によって大きく変える必要は小さいから、一度作ってしまえば楽である。
面接
面接中に説明するパターンでも、研究背景と目的、アプローチ、実験手法、考察をやさしく説明するように心がけ、結果の説明は簡単に済ませるのが良い。
さて、ここで一つみなさんに問いかけたい。
先に述べた、「例えば私なら分子設計、有機合成、計算化学、分析化学ができたから、それぞれについての結果と考察の項を作った」の部分、どれくらい理解していただけただろうか。
スルーした方はおそらく化学に触れたことがある方だろう。逆に化学に触れたことない方は「なんのことだろう」とならなかっただろうか。
「分子設計・有機合成・計算化学・分析化学」という単語でさえ、専門用語である。
すなわち、一般の人はこれらの単語がなにを意味しているのか理解できないのである。
ESでは文字数が少ないから専門用語のままでよいだろう。しかし面接では気を付けよう。特にプレゼン形式でこれら専門用語に立脚した説明をしてしまうと、最悪なにも伝えられずに終わってしまう。
例えば先の例を使うなら「こういう形のものを作り出すためにはこういう方法が必要で(有機合成)、ここの部分にはこれこれという機能があり(分子設計)、それはシミュレーションによってこう考えられる(計算化学)。これらのなかで私は~」という風に、一段階以上にかみ砕いて説明する必要がある、ということに気を付けよう。
逆に相手の専門しだいでは馬鹿にしているのか、と思われるかも…と考える学生もいるかもしれないが、人事が同席していることも多いし、基本的に他人の専門分野を理解できる人は少ないということは学会や学内発表で身に染みてわかっていることと思う。だから心配はいらない。簡単に説明できるようにしよう。
とりわけ、結果の説明は専門的になりがちだからだ。そして、ここで私が「基礎研究」をしていたことが問題となる。応用研究なら背景や目的がかなり説明しやすいが、基礎研究だとそうもいかない。
特に、「この研究したらなにがどうなるの?」は本当にふざけた質問だと思う。
そういうときはキレてはならない。
ある程度でっちあげてしまえ。
基礎研究は具体的な目的が見えてない分、応用先が無限大だととらえて、自分の想像力とこじつけ力の許す範囲で最大限おおげさに話そう。
世界の1つや2つ、変えてしまって構わない。
ただ、具体的でありかつ分かりやすく世界を変えてあげよう。「食糧問題を~という観点で解決することができます、核エネルギーが~という方法で不要になります」などなど。
科学者なんだ、夢を追おう。
推薦について
もう一つ理系の就活において文系のものと大きく異なるのは、推薦制度だろう。推薦にもいくつかの種類があり、
①学校推薦
②教授推薦
③奨学金推薦
が代表的なものだ。
こちらも以下、一つ一つ説明していく
学校推薦
学校推薦については学校に問い合わせてみてほしい。正直学校によって制度が違いすぎていて、ここで言及するのは避けたほうがよいと思われる。しかも学科によっても仕組みが違うから、他学科にアドバイスを求めるわけにもいかない
ただ、私の母校の場合だと、学校推薦を用いても面接で落とされるケースが多かったから、学校推薦一本にするのはハードルが高いと思われる。
また教授推薦にも言えることだが、内定が出てしまった場合、断りにくいか期限を作られてしまう。
だから滑り止め扱いで推薦を受けるのはやめて、本当に行きたい企業がある場合のみ受けるのがよいと個人的には考えている。特にいまは学生有利と言われてる時代なので、そこは思い切って推薦は使わないでも構わない。
私は推薦を使ってまで行きたい企業がなかったため、使わずに内定を得た。
教授推薦
さて、教授推薦は特に学校推薦と混同しやすいが別物であり、これは学校推薦が「企業が学校のために用意してある枠」であるのに対して教授推薦は「企業に学生が枠をつくってもらうためのもの」である。
まず同じ点を説明すると、学校推薦も教授推薦も内定がでたら断りにくい、ということだ。これはみなさんお分かりだろう。
次に違いだが、学校推薦は学校の学事を経由するが、教授推薦は学生と教授の間での話となる。
ES提出などの初期プロセスは同じだが、企業内での選考において一般選考と推薦選考で枠が別にあり、その推薦枠に進むという意思表示である。
簡単に言えば、教授の名をもって内定を辞退しないことを確約する代わりに選考プロセスを楽にする、と
いうことだ。
ほとんどの理系採用企業ではこの枠があるから、絶対的第一志望があるなら迷わず推薦枠での採用プロセスに進むべきだし、ホームページに推薦枠の記載がなくとも、人事に聞いて教授推薦状発行の用意があると伝えるだけで道は開かれるのではないだろうか。
ここまでの話をまとめると、第一志望がない人は推薦に関わる必要がないし、第一志望があるならまずは学校推薦(より強い推薦)、なければ教授推薦(少し弱めの推薦)を行使するのがよい。
奨学金推薦
最後に奨学金推薦だが、これは一部の企業がひそかに行っている推薦枠(もちろん調べたら出てくる)で、だいたいが12~2月という早い段階に行われる選考である。
その名の通り修士二年の期間に奨学金が貸与され、その企業に一定年数勤めることによって返済が免除さ
れる仕組みになっている。
お金が欲しくて早く就活を終えたい、かつ行きたい企業にこだわりがない場合や行きたい企業が奨学金推薦を取り入れている場合はこれが最強の選択肢となる。
一定年数勤めるだけで100万円ちかくのお金と内定が手に入るのだから…
私は職の選択肢が欲しかったし、12~2月に文理の志望すら決めていなかったので、これには手を出さなかった。しかし、選考の練習にも資金源にも内定にもつながるのだから、普通は受けない選択肢は考えにくい。調べて見つけたら、ぜひ受けることをお勧めする。
まとめ
ということで以上!
「基礎研究をしている理系大学院生が研究概要をわかりやすく伝える方法」でした!
記事中にも書いてありましたが、理系大学院生を研究職で採用するのに、なぜか理系分野のことを全く知らない文系人事が面接したりするんですよね〜
ですので、本当に研究をきちんとやってきたのに文系人事部がその本質を理解できないせいで、優秀な人間が落とされてしまうという悲劇が採用の現場で多発しているのです。
その辺に関してはこちらの記事(コミュ障理系大学院生が就活の1次面接に落ちる本当の理由)にて記載しておりますのでご参照してくだされば良いのですが、理系であろうと自分の研究内容を誰にでもわかりやすく伝える能力というのは必要不可欠です。
本記事を参考にして、ES、そして面接に臨んでくださればと思います。
ちなみにですが、面接の必勝法は相手がどう思うかを徹底して研究することです。
自分がこんな話をしたら相手はどう思うか?
どのような対応をすれば面接官は自分のことを欲してくれるのか?
それを常に研究し、実践することが面接です。
そして、この面接ノウハウは会社に入社してからもガチで活きてきます。
えっ?自分は研究職だから関係ない?
何言ってるんですか。上司へのゴマすりだって、毎日の部署の掃除だって、全部面接と同じなのです。面接は社会へ飛び立つ第一歩と考えていただいて良いでしょう。
ってことで皆さん、就活の面接、楽しんで頑張っていきましょう。
ちなみに、面接対策としては自己分析はもちろんのこと、業界研究も不可欠です。
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煽られたい時の「みんしゅう」— うぃるん (@willnsyukatsu) 2018年1月29日
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*関連記事
→就活生が絶対に登録しておくべきオススメの最新就活サービスを紹介!
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
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